表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神の盟友  作者: 八重桜インコ愛好家
第五部 “和国・北洲の戦い”編①
329/494

【第五部】第五十八章 【過去編】①休暇

【時を遡ることしばし】

――中つ国・“御使いの一族”の里――


 央都での会議が終わり、神楽達は西の森の中にある“御使いの一族”の隠れ里に戻って来ていた。


 会議の場での曹権からの提案『海を渡り、東にあるピオニル大陸とやらに行ってみないか?』を発端に、各々アクション事項を抱えることになったが、準備は万端にしようという見解で皆が合意しているので、十分な時間をかけることに。


 だから、神楽達が隠れ里に戻って来たのは、まず疲れを癒すだけのちょっとした休暇目的だった。


 なのだが――



「――で、朱雀達はともかく、なんでお前らまでいるんだよ?」

「何よ! 文句あんの!?」


 そう。“宵の明星”のクレハとガイルまでついてきていた。また、朱雀と白虎、ピノも来ている。その他の者は、別用とか各々の理由で会議の後、解散していた。


 つまりは――


「つまりは、“暇”なんだな?」

「あんた……! 仮にもわたしは、あんたの先輩なのよ……!?」


 確かに“宵の明星”は、エクスプローラーでも実質最上位のギルドで、その実績も確かだろう。現に、東都や央都での防衛戦では多大な戦果をあげている。駆け出しの神楽などは敬うべきなのかもしれない。


 だが――



「だって、いきなり襲いかかられたからな。俺ら、な~んも悪いことしてなかったのに。“異常者”だよ、俺らからしたら」

「あ、あんたねぇ~……っ!!」


 神楽からの異常者扱いに、ワナワナと震えるクレハ。


 そう。以前、神楽達が東に向かうために“守護長城”上空を朱雀の眷属に乗り通過した際、このクレハに襲撃を受けたことを神楽は根に持っていた。命の危険にさらされればそれもやむなしだが、クレハの方にも言い分はある。


「開戦間近って時に、妖獣が人界を通る方がおかしいでしょうが!! わたしのはね、正当防衛よ!!」

「――む。そう来たか。それを出されると苦しいが……」


 クレハから正論をぶつけられ、思わぬまともな反撃に咄嗟の言葉を失う神楽。なおも言い返そうと口を開いた瞬間、背後から肩に手を置かれた。


「まぁまぁ。済んだことはいいじゃねぇか。――それより、里を案内しろよ? 俺は、あの“ダンゴ”ってのに興味がある」


 ガイルだった。里の団子屋を親指でさし、神楽に案内を求めている。


(まぁ、いっか……)


 折角の休暇に喧嘩してもなというので、神楽も気持ちを切り替える。



 皆を連れて、最寄りの団子屋へと向かうのだった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ