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神の盟友  作者: 八重桜インコ愛好家
【第一部】“エクスプローラー養成学校”編
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【第一部】第二章 実技訓練【一】魔法や武技

 講義が終了した直後、アレンの席に一人の男が寄ってきた。


「お前もこりないな。また例の夢でも見てたのか?」

「まぁな」


 彼はカール。アレンの悪友――いや、友達だ。ちなみにこのカール、講義中にアレンより爆睡していた。


 起きて周りを見回した時にアレンは見逃さなかった。あまりにも自然に周囲と同化していたため、他の人は気付かなかっただけなのだ。


 何事も無かったようにアレンに接してくる辺り、こいつの図太さも相当なものだ。


「例の夢って何よ?」


 少女――エリスも寄ってきた。先程アレンが教官に辱しめを受けないようジェスチャーで忠告してくれようとしたが、残念ながら徒労に終わった。でもその優しさはありがたい。


「ああ。こいつ、とある美少女の夢を何度もみるんだってさ」


 端折り(はしょり)すぎだ! ――まぁ、間違ってはいないが。


「はぁ!? 何それ初耳なんですけど!」


 なんでキレてんだよ。そりゃあ、こんなこと恥ずかしくて、そうそう他人には言えないよ。まるで欲求不満みたいじゃん。……カールには言ったけどさ。


「おい。誤解を招く言い方はやめろ。幻想的な光景の中、哀しげな顔で見つめてくる少女の夢だ」

「同じことだろ」

「誰よ、その女」


 なんだ? 俺はボケ適正でもあるのか? なんでこうも突っ込まれる。――というか、エリス。こわい! 追い込まれたアレンは話題転換を図ることにする。


「それはともかく、次の講義は実技訓練だな。訓練場に行こうぜ」

「強引に話をそらしたわね……。まぁいいわ、この件は後で()()()()聞き出すとして、遅れる訳にもいかないしさっさと行きましょ」



 まだ訓練前なのに、命の危険を感じるのは何故だろう……。


――訓練場――


 三人は講義室から訓練場に向かった。訓練場は屋外の、校舎からは少し離れた場所にある。


 訓練場に着きアレンが周りを見渡すと、既に他の生徒も多く集まっていた。天気もいいし絶好の訓練日和だろう。やがて始業時間となる。


「これより実技訓練を始めるぞ。いつものように、まずは訓練用デバイスを着けて武器を選べ」


 訓練教官――いかつい中年男性――が生徒にそう促すと、みな、保管場所から訓練用デバイスと思い思いの武器を手に取った。


 デバイスはみな一様に同じ型で、武器も特に特徴の無いシンプルなデザインをしている。


 アレンは双剣、カールは盾と槍、エリスは杖を選んだ。各々が普段から慣れ親しんでいるカテゴリーだ。


「今日はスキル訓練だ。初級の<魔法>もしくは<武技(ぶぎ)>の“練度(れんど)”アップに励め。デバイスに登録されているスキルリストから新たに習得できそうなものがあるなら積極的にチャレンジしろ。」


 投げやりな指示に思うかもしれない。しかし実際これが合理的でもある。スキル習得には個人差が大きく、習得難易度が人によって大きく変わってくる。


 例えば魔法スキルの習得について。“火、水、風、氷、雷、土、光、闇の八大属性”とその他に大別される。その他は空間系など特殊なものも多く、未だに原理が解明されていないものも多くある。


 魔法は自身を触媒に周囲の魔素を制御し物理現象として発現させるプロセスだ。呪文詠唱により自身に魔素制御をイメージ構築して行使することが基本だが、極めると詠唱すら不要になると言われている。


 だがそんなことができるのは極一部であり、正規のエクスプローラーも詠唱を基本としている。属性によってイメージ構築の基礎が大きく異なるため、魔法は人によって向き不向きが大きく現れる。


 武技は武器使用の練度や身体能力によるところが大きい。基礎レベルであれば魔法程習得に個人差がある訳ではないが、やはり得手不得手や生来の資質、鍛練量により習得難易度は変わってくる。


 中には“気”を操作することで身体能力を強化するものもあり、この辺りは感覚によるところも大きく、魔法と似ているかもしれない。


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