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神の盟友  作者: 八重桜インコ愛好家
第四部 “世界の仕組み”編
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【第四部】第四十八章 防衛戦【央都】②

――央都・城内――



「――あ、あがっ……」

「き、貴様ぁ!!」


「俺に構っていていいのか?」


「うぁぁ……っ!!」

「お、おい! 正気を保て!!」


 騒ぎは城内にも広がっていた。仮面をつけローブを羽織った男が一人侵入しているのだ。


 兵に周りを取り囲まれても慌てる気配がない。


 兵の一人が剣で男の背後から斬りかかった。だが、振り返った男が手を差し向けただけで兵は意識を失ったように剣を握る手をダランと下げる。そして――


 冒頭の光景に至る。味方だった兵が操られ自分達に襲い掛かってくるのだ。たまったものではない。そして、男が至近距離で手を向ける度、操られる兵の数は増えていく。まさしく悪夢だった。


――<支配(ドミネイト)


 稲姫の使う<幻惑魔法>は、自分の作ったイメージを乗せた魔素を相手の頭に上書きすることで相手に幻視させ惑わせる。そして、この男――()()()()が使う<支配>は<幻惑魔法>よりも更に高度になる。相手の意識を奪い、自分の思ったままの行動すら取らせることができるのだ。――そう。今、まさしくそうしているように。



 相手の耐性次第では抵抗(レジスト)されてしまうこともある。魔素操作の得意な稲姫や神獣としての格が高い朱雀達四神獣レベルにはまず抵抗されるだろう。だが、抵抗力の低い一般的な人間相手にはまず通る。


 この<支配>は、高い耐性持ちに抵抗されることと射程が短いこと以外に目立った欠点の無い、非常に有用な技能だった。


 この能力があるからこそS―09は任務遂行力が極めて高く、今回のように“捕らわれたSナンバーズの廃棄”といった重要な汚れ仕事を任されているのだった。


 ここに来るまで、すれ違う民衆にもかけ、城門に次々と向かわせた。その混乱に紛れ城内に侵入を果たしたという訳だ。


 初めて見る力に混乱する兵達に為す術は無かった。


「さて、それではな」



 男は混乱する現場に背を向けると、目的地である地下を目指すのだった。



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