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神の盟友  作者: 八重桜インコ愛好家
第四部 “世界の仕組み”編
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【第四部】第三十五章 国王と“宵の明星”の来訪

――“御使いの一族”隠れ里・入り口――



「――来たか。いいか、くれぐれも粗相の無いように!」


 里の入り口には神盟旅団の団長を含む重役達と里長、そして神楽達、更には朱雀達四神獣が集まっていた。もちろん、来訪する国王曹権の出迎えのためだ。


「ふむふむ。あれが国王の乗る馬車か。きらびやかじゃのぅ」


 神楽の近くでそうこぼすのは、白髪の初老男性だ。


――“北の玄武”。四神獣の最後の一体だ。この地での会談が決まったことで、玄武も呼ぼうとなり朱雀が北まで飛んで迎えに行ったのだ。


 今は人化しており、本来は巨大というその体躯(たいく)は鳴りを潜めている。初めて会う神楽達にも親しげに話しかけてきてくれて、その見た目も相まって好好爺(こうこうや)という感じだった。


 青龍が言うには、四神獣の中では一番保守的だそうな。ただ、怒らせたら怖いし戦うべき時に一切の躊躇はしないとのことで、神楽は玄武に失礼無く付き合っていこうと一人胸に誓ったのだった。


 やがて、馬車が里の前に到着する。朱雀達を除き、皆が礼を取った。



「ほう! ここが“妖獣と共に暮らす者達の住まう里”か! ――おお! 確かに妖獣と並んでおるな!!」


 馬車から降りてくるなり景気良く笑いながらそう言うのは国王曹権だろう。馬車同様、きらびやかな装飾を施した装束をその身にまとっている。


 キョロキョロと周りを見回しては、(ひざまず)くこの里の住人達と、共に並び跪いている妖獣達を面白そうに見ている。


「よいよい! その様に改まる必要などない! 其方達はここに隠れ住んでおるのだろう? ならば、我が国の支援も無く、自立して暮らしてきたということ。であれば、その様な礼は不要だ」


「お噂通りの名君であらせられる。お心遣い、感謝致します」


 曹権の言葉にまず里長や団長が応え、やがて皆が面を上げ立ち上がった。


 朱雀達は元より礼は取っていなかったが、その様子を面白そうに眺めていた。


 そして――




「――あっ! 見つけた!! あんた、あの時の決着をつけるわよ!!」

「おお!? ホントに妖獣共が一緒にいやがる!」

「クレハ! ――ガイルまで! 失礼でしょ!?」

「まぁ、こうなるよねぇ」


 馬車から、前に見たバトルジャンキー少女と気配を消すのがうまい優男、そして初対面のガタイのいい男と妙齢の女性が降りてきた。


 ルーカスの所属するブラッククラスギルド“宵の明星”の面々だった。神楽がルーカスの方をちらと見ると、優男に対して手を上げていた。あいさつのつもりだろう。


 彼らの登場により、場から急速に厳格さが薄れるのだった。


 そして、駆け寄ってくるバトルジャンキー少女と神楽の間に、琥珀が立ち塞がる。


「あっ! あんたはあの時の猫!! どきなさい!」

「生意気なおチビちゃんにゃ。ご主人には指一本触れさせないにゃ!」


 両者の視線が交わり、バチバチとスパークが幻視される。


――『あっ、これヤバい奴だ』と両陣営が慌てて二人を止めに入った。



 そんなこんなで、国王曹権と“宵の明星”達を隠れ里に迎え入れるのだった。



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