表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神の盟友  作者: 八重桜インコ愛好家
第四部 “世界の仕組み”編
244/494

【第四部】第二十九章 “宵の明星”の謁見

――央都(ヤンドゥー)・城内・謁見の間――


 隼斗とヴィクトリアはルーカスからの念話を受け、国王曹権に事情を伝えるため、央都城内の謁見の間に来ていた。


 今回の終戦の立役者でもある“宵の明星”の働きは国中に知れ渡っており、隼斗が国王に会いたいと申し出るだけで、簡単に面会が許された。



「よく来てくれた。此度(こたび)の働き、実に見事だった。主犯を取り逃がしたのは残念だったが、“宵の明星”のおかげで青龍の奪還、主犯主要施設の制圧、いずれも相成った。感謝してもしきれんよ」

「いえ。“協力者”の存在あればこそです」


 曹権から改めて送られる称賛を、隼斗とヴィクトリアはその場に(ひざまず)きながら受ける。


「報奨は追って渡すつもりだが、今は戦後処理に追われていてな。今しばらく時間をくれぬか? 其方(そなた)の言う“協力者”達にも送らねばな」


 神楽達のことは隼斗から軍の上層部にも伝えてあった。負傷したため今は療養中だが、“宵の明星”と共に今回の終戦の立役者だというのは、軍上層部内では既に知れ渡っているのだった。


――“人間と妖獣の混成部隊”。


 初めて聞かされた者はさぞかし度肝を抜かれたことだろう。今回、まさにその二種族が対立し戦い争ったのだから。


 そのようなデリケートな事情(ゆえ)、神楽達のことは軍上層部内に情報をとどめてある。民衆に知れ渡れば無用な混乱が起こるのは容易に想像できる。上層部内にも否やは無かった。


 同様にして、制圧した主犯の地下施設についても情報は秘匿されている。いや、民衆だけではない。これは軍上層部内でも知る者は限られた。


 あまりにおぞましい研究がとり行われていたため、重要機密として押収され厳重に管理徹底されているのだ。


 “捕虜”も同様だ。生きている者は、他殺も自害もできぬよう、複数箇所に分けて収容し徹底管理している。“人型”も“妖獣型”も。


 人間や妖獣と呼ばないのは、人為的に造られた――もしくは後天的に変化を加えられ、その種族そのままの名で呼ぶことがはばかられたためだ。――それが、“あそこで行われていた研究”の実態を表していた。



「その協力者が目覚めたようです。先程仲間から連絡がありました。そして今は、“四神獣”や協力者の部族を交えた、今回の件の情報共有中とのことでして。私達が陛下のもとにこうして参ったのは、向こうから『今回の当事者である軍も一緒にどうか』と打診が来たのを陛下にお伝えするためです」


 隼斗は曹権に事の次第を伝えるのだった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ