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神の盟友  作者: 八重桜インコ愛好家
第四部 “世界の仕組み”編
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【第四部】第二十一章 朱雀達の来訪

――“御使いの一族”隠れ里・広場――


 家を出ると大騒ぎになっていた。先程念話で聞いた通り、来たのは三名だった。


 朱雀は巨大な妖鳥の姿で、後二人は人間の偉丈夫――いや、人化した白虎と青龍だろう――が、今まさしく朱雀の背から降りてくるところだった。


 集落の他の住人もなんだなんだと集まってきている。朱雀は目立つからな。それに、一応ここは隠れ里だし。急に妖獣が乗り付けたら驚くというものだろう。


 神楽達が近付いていくと、朱雀も気付いた。まばゆい光にその身を包むと、中から妙齢な美女が現れる。



「無事なようで何よりじゃ」

「そっちこそ、青龍が無事解放されたんだな。よかった」

「お前が神楽か。世話になったようだな」


 青髪の偉丈夫がこちらに歩み寄ってくる。なるほど、こっちが青龍か。


「直接取り戻したのはこっちのルーカスみたいだけどな。まぁ、無事で何よりだ」


 名を呼ばれたルーカスが歩み寄ってくる。


「そうだったか。世話になったな」

「いや、元はと言えば、変わった奴らとは言え人間側がしでかしたことだからな。迷惑をかけたな」


 ルーカス、珍しく殊勝だった。やはり、相手が相手だけに慎重なのかもしれない。大物過ぎるからな。


「こんな所で立ち話もなんだ。急だったからたいしたもてなしも用意できてないが、うちに来ないか?」

「うむ。お邪魔するとしよう」


 朱雀はその美貌で住人の男衆の視線を釘付けにしていた。女衆からは羨望のまなざしが向けられている。


 目立って仕方ないから、早めに引っ込むのが吉に違いないだろう。神楽はさっそく三人を家に案内する。


――春・楓の家――



「たいしたもてなしもできませんが……」

「うむ。構わぬぞ。こちらこそ、急に押し掛けて済まぬな」


 春がお茶と菓子を居間に運んで皆に配る。朱雀はさっそくおせんべいをパリポリかじっていた。


 白虎は珍しげに眺めていたが、朱雀が食べるのを見て食べ始めた。うまいとわかったのか、スゴイ勢いでむさぼっている。


 青龍はお茶のついでにつまむ程度だ。妖獣界の大物三人だが、見事に性格が違うのだった。


「それで、俺に会いに来たって言ってたけど――」

「そうじゃ。余が会いに行くと言ったら、こやつらも来ると聞かなくてのぅ」


 朱雀は白虎と青龍を見回す。


「それはそうだが、朱雀。他に言うことがあったんじゃないのか?」


 青龍がうながすと、朱雀は目をパチクリとした後、手を打つ。


「そうじゃった!! ――神楽、朗報じゃ! 其方の旧友――(ミズチ)じゃったかをこちらで預かっておるぞ。聞いていた特徴と一致しておるし、おそらく間違いあるまいよ」


「本当か!?」

「蛟にゃ!?」

「おお! ついに見つかったのかえ!?」

「よかったでありんす!!」


 神楽達がいっせいに騒ぎ出す。やはり皆、気になっていたのだ。蛟の行方がわからなかったことに。


「うむ。だからそれを知らせに来たのじゃ。今は洗脳を解いて休ませてるところじゃが、どうする? すぐに行くか?」

「でも、来たばかりで悪いよ」

「気にするでない。――あ、こやつらは置いていってもよいか? さすがに全員を乗せるのはつらい」

「わかった。俺、琥珀、青姫、稲姫で頼む」

「わらわは自分で飛ぼう」

「ピノも行くですの!」


 ピノも付いてきたがってるので一緒に行くことに。



 思わぬ朗報で場が一気にわきたつのだった。



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