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神の盟友  作者: 八重桜インコ愛好家
第三部 “中つ国動乱”編
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【第三部】第九十ニ章 第一研究室

――“マスカレイド”研究施設・第一研究室内――



「ここは……」


 神楽達がAブロックを抜け先に進むと、“第一研究室”のプレートがついた部屋を見つけた。今までと同様、魔素を流し込み解錠して扉を開いた。研究室内に飛び込み、神楽はすぐさま周囲を見回す。が――


「誰もいないでありんすね」


 そう。もぬけの殻だった。ここが突き当たりのはず。すれ違ったはずもない。一体どこに……。


「怪しい場所がないか、徹底的に探すぞ!! 時間がない! 急ぎで!!」


 神楽、稲姫、ピノは研究室内を調べ始めた。



「これは……」

「どうしたでありんす――あ……」


 神楽は、とある培養槽の前で足をとめる。“中は空”だ。緑の透明な液体だけが満たされている。だが――


 神楽はそっと培養槽に触れた。“懐かしい”気配。そうだ。“彼女の”気配を感じる。稲姫も気付いたようだ。


「それほど時間は経ってないと思う。――急ごう」

「床を調べてみるでありんすよ」


 神楽達は気を取り直してすぐさま隠し通路探しを再開する。稲姫の言う通り、地下トンネルを作ったり、地下にこんな巨大な研究施設を造るような奴らだ。床が怪しいかもしれない。


 神楽と稲姫は、床に集中して魔素の流れに異常がないかを調べ始めるが――


「? ――あ、こっちから風が吹いてきてますの!!」


 離れた場所で同じく隠し通路を探していたピノに呼び掛けられ、すぐさま神楽達はかけよるのだった。



「これはまた……」

「天井だったんでありんすね……」


 ピノが指差す先――天井を見ると、見た目は普通の天井だが、ピノの言う通り、少しだけ風がもれてきている。確かに、地下から逃げるなら上か……。


 神楽は机をよせて足場にして天井を調べてみる。今までのような魔素回路のようなものは見当たらないが……。


「ちょっと離れてろ」


 二人にそれだけ言うと、<肉体活性>して天井をぶんなぐった。



――バガッ!


 小気味よい音がして天井に穴が開く。そこには、はしご付きの上への抜け道があった。穴の入り口付近には、元々は鍵がかけられていたのだろう、今は壊された魔素回路の名残が。


「あいつら……。用済みだから魔素回路をつぶしやがったのか。気が付かないわけだ。――ピノ、お手柄だぞ!!」

「はいですの!♪」


 ほめられてピノはご機嫌だ。本当によく見つけてくれたと神楽は心から感謝する。


「むむむ……。ピノちゃんには負けないでありんすよ」


 稲姫が珍しく悔しがっている。見た目の年格好も似ているし、ピノに対抗意識があるのかもしれないな。――と、そんなことより。


「じゃあ、はしごを下ろすから気をつけて登ってくるんだ。急ぐぞ! “青龍の封印石”も持ち去られてるはずだ!!」

「わかりんした!」

「はいですの!」


 神楽達は急ぎはしごを登り、逃げた敵を追いかけるのだった。



――そして、事態は最終局面を迎える……。



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