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神の盟友  作者: 八重桜インコ愛好家
第三部 “中つ国動乱”編
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【第三部】第七十九章 計略

――“中つ国”北部上空――



「どういうことだ! クソッ!!」


 西で白虎や玄武達により返り討ちに遭い、S―01――”シーラー”をはじめとした極少数のメンバーは飛行可能な妖獣に乗り、上空を飛びながら帰路についていた。辺りはもうだいぶ暗くなっている。


 シーラーに連れられている極少数のメンバーは、いずれもAナンバーだ。シーラーは特に戦力的価値の高いメンバーのみを助け出し、他は囮に使った。


 作戦中は人間側の軍隊に偽装する必要があったため、シーラー以外は仮面を外していたが、作戦が失敗した今その必要は無いため、Aナンバーも皆仮面を着用していた。


 シーラーは作戦が失敗したことに憤りを感じているが、今は雪辱を晴らせる状況ではない。これ以上戦力を失わないために、北東の研究施設を真っ直ぐ目指していた。


(覚えてろ!! この僕をコケにする奴は誰だろうと許さない。――そうだ。いい手があるじゃないか! 青龍をぶつけてやろう。仲間同士殺し合えばいいさ!!)


 シーラーは暗い笑みを浮かべながら、次の目的のためにも急ぎ研究施設を目指すのだった。


――北東の荒野――



 研究施設のある位置の上空に来ると、シーラーはゆっくりと下降し地表の荒野に降り立った。Aナンバーも後に続く。


「もたもたするな! 行くぞ!!」


 シーラーは背後のAナンバー達を急かすと、研究施設のある地下への入り口に向かう。そうしてしばらく進み、角を曲がったところ――



「やぁ。初めまして、かな?」


 見たことの無い――いいや、噂では聞いたことのある風貌の優男が、入り口付近の岩壁に背をもたせかけていた。


「――“宵の明星”がどうしてここにいる!?」


 最高峰のブラッククラスギルド“宵の明星”。その中でも特に危険な、ギルドマスター<閃光(ブリッツ)>隼斗。


 要チェックリストのトップだった。体系化した技術を行使する相手には、シーラー十八番の“封印”は意味を成さない。


 その中でもトップクラスの実力者ともなると、シーラーにとって最大限に警戒しなければいけない相手だったのだ。


「お前達! 一斉(いっせい)に――」


 シーラーは背後のAナンバー達に声をかけようとして、ようやく違和感に気付いた。――静かすぎる。


「ご苦労様。――刹那(セツナ)

「問題ない」


 シーラーが振り返ると、そこには――



 Aナンバーと同じ仮面とローブを纏った小柄な者が一人、血に濡れた短剣――“和国に伝わるクナイ”を握りしめていた。周りには、ピクリとも動かないAナンバー達が転がっている。


――<(オボロ)>刹那。


 “宵の明星”の暗部を司る闇夜のハンターだった。またも要チェックリストのトップクラスだ。それがAナンバーに、いつからか紛れ込んでいたのだろう。シーラーは歯噛みする。



 シーラーはいつの間にか、またしても窮地に追い込まれていた。



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