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神の盟友  作者: 八重桜インコ愛好家
第三部 “中つ国動乱”編
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【第三部】第二十七章 これからの方針

――“中つ国”人界西部・隠れ里・春と楓の家――



「み、見失ったってどうして? 奴らの後をつけなかったのか?」

「ううん。もちろんつけたみたいよ。でも、途中で消え失せたっていうの」


 楓が、青龍を連れ去った奴らを目撃した妖獣から聞いたことを神楽達に語り聞かせる。


「なんでも、山頂の聖域から山道を下って付いていったまではいいものの、(ふもと)にある洞窟の中に奴らが入っていって、少し後から彼も忍び込んだみたいなんだけど、行き止まりで誰も見つからなかったらしいの」

「元暗部の諜報員なんだよな。なら、見落とすってことも考えにくいよな」


 神楽達は頭を悩ます。


「……あいつらにしかわからない仕掛けがあるとか?」

「そうかもしれねぇな。よく探ってみたのか?」


 レインの意見にラルフが同調する。


「もちろん、彼も隅々まで探したみたいなんだけど、手掛かりがつかめなくて……。それで、近くにいた別の諜報員も合流して一緒に確認したんだけど、それでもわからなかったのよ」

「そうか……。でもとりあえず、そこが一番怪しいのは確かだな。楓、その洞窟の地図はあるか?」

「うん。ちょっと待ってね」


 楓は席を立って、地図を取りに自分の部屋に戻って行った。


「しかし、期待以上に収穫があったね」

「うむ! 流石は里の者じゃ!」


 エーリッヒや青姫が称賛する通り、凄い働きだ。奴らを見失ったとはいえ、いなくなった場所までわかったんだから。間もなくして、楓が地図を手にテーブルに戻ってきた。皆に見えるように卓上に広げる。


「ここ。この赤丸の印のついてるところね」

「ずいぶん遠いな……」

「ここが“中つ国”の西だから、ちょうど真反対みたいなものだからね」


 楓の示すところは、“中つ国大陸”の東端付近とも言えるところだった。かなりの距離がある。でも、手掛かりがこれしかないなら確認しに行くしかないな。


「皆、確認しに行かないか?」

「そう言うと思ってたにゃ! 明日早速行くにゃ?」

「戦争開始までもうあまり時間は残ってないでしょうし、急ぎましょうか」

「じゃあ、みんな。悪いけど、明朝出れるように準備してくれ。――あ、サンクエラとルーヴィアル、それと雷牙達はここにいてくれるか? もしもの時、里の皆を守って欲しいんだ」

「ええ、わかったわ」

「任せろ」

「うむ。任された」



 こうして、皆の行動方針が決まった。その場は解散し、皆、明日に備えて支度を始めるのだった。



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