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神の盟友  作者: 八重桜インコ愛好家
第三部 “中つ国動乱”編
121/494

【第三部】幕間 青龍への襲来

【時を(さかのぼ)ることしばし】

――“中つ国”東・“青龍(セイリュウ)の聖域”――



「来たか……」

「やぁ、待たせちゃったかな、ごめんね。――君が“青龍”で間違いないよね?」


 “中つ国”に存在する妖獣達の中でも、特に強大な力を持つ四体は“四神獣(ししんじゅう)”と呼ばれる。


 “東の青龍(セイリュウ)

 “西の白虎(ビャッコ)

 “南の朱雀(スザク)

 “北の玄武(ゲンブ)


 “中つ国”に暮らす妖獣達にとって、“守護神(しゅごしん)”として崇められている存在である。


 新暦786~789年に人間と妖獣の間で大きな戦争――“中つ国人妖戦争”があり、以来、不要な争いを避けるため、人間と妖獣の間で不可侵の約定が定められた。


 以来、約定を違えた者は、妖獣、人間問わず、厳しく罰せられてきた。この聖域――青龍の住処まで踏み込んだ人間は、誰一人としていなかった。



如何(いか)にも。我が青龍だ。――して、貴様らは何故(なにゆえ)約定(やくじょう)を破り、ここに参った?」

「君をもらい受けに来た! ――で、伝わるかな?」


 青龍に相対する少年は余裕の態度を崩さない。その少年だけでなく、周りの者達も仮面をつけており、胡散臭(うさんくさ)いことこの上ない。少年の馬鹿にした返答も相まり、青龍の悪かった機嫌が、更に低下し底を割った。


余程(よほど)死にたいと見える。――確かに貴様は、それなりに力はある様だが、我には及ばん。力の差が理解出来んか?」

「君に僕の何がわかるっていうのかな? ――それに、()()()()()()()()()()()()()()()


 少年が手を上げて合図すると、取り巻きの一人が、赤い大きな石を少年に差し出す。少年は石を手に取り――


「これは、“封印石”って言ってね。君達妖獣を取り込んでおく、“檻”の様なものさ。これは特にうちの“博士”の自信作でね。――まぁ、見てみてよ」


 少年が何事かを呟くと、“赤い封印石”が輝き、中から“巨大な龍”が飛び出した。



「――“和国の龍”か。憐れなものよ。こ奴らの傀儡かいらいに成り下がったか」

「“支配”するのにだいぶ苦労したよ。でもその甲斐あって、僕の一番のお気に入りさ!」


 少年は、ぽんぽんと龍の背を手で叩き、自慢げだ。――それを見た青龍が、おもむろに立ち上がった。



「我の眷属を汚すか。――ここまでの侮辱を受けるのは、何百年振りか……よい、相手になろう」

「そうこなくっちゃ! ――せいぜい楽しませてよね」


 

 激怒した青龍が大音声の咆哮を上げる。少年達仮面の集団――そして“和国の龍”との激闘が繰り広げられた。



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