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神の盟友  作者: 八重桜インコ愛好家
【第二部】“旅立ち”編
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【第二部】第六十章 仲間との合流

――“セラーレの森”・南側出口――



 当初入ってきた場所からはズレているが、森を抜け南側に出られた。既に追っ手は一人もおらず、このまま逃げ切れそうだ。


「アレン、どっちだ?」

「え~っと……とにかく真っ直ぐだ! 細かい方向転換は、追って伝えるから!」


 当初森に来た時はだいぶ暗くなっていたので、あまり地理に自信は無いが、とにかく南に行けばいいだろう。今はとにかく、森から距離を取りたい。


「主様。レイン達に<念話>で連絡を取ってみたらどうでありんしょう?」

「稲姫、天才か……」


 アレンが感覚で指示していることに気付いたのだろう。稲姫がフォローしてくれる。<念話>のことを失念していた。早速、指輪型のアーティファクトを起動して<念話>魔法を発動し、レインに呼び掛ける。



(レインさん)

(……アレン! 無事なのね!? ――みんな、アレンから!)

(アレン! 大丈夫!? ルーヴィアルは!?)

(おお! 無事だったか、アレン!)

(心配してたよ。今どこにいるんだい?)

(ご主人! 怪我はないにゃ!?)

(我が君、早く会いたいのじゃ!)


 レインが皆に念話を繋げたのだろう。一気にやかましくなる。


(ああ! 俺もルーヴィアルも稲姫も、皆無事だ!)

(ああ。一時は死ぬかと思ったがな。――とにかく、大勝利だ!!)

(馬が夢に出そうでありんす……)


 アレンもルーヴィアルと稲姫に念話を繋げる。これで全員揃った。


(今俺達は、“セラーレの森”を南から出て、そのまま南下してってる。みんなは今どこに?)

(僕らも馬車で南下してるところだよ。じゃあ、待ち合わせしようか)

(追っ手はまいてるはずだけど、まだ心配だ。もう少し離れた場所で合流したい。そっちで場所を指示してください)


 アレン達は、エーリッヒ達の誘導に従い、合流場所へ向かった。



「ルーヴィアル!!」

「サンクエラ!!」


 二人が抱き合い、再会を喜ぶ。アレンの方でも――


「我が君! 心配だったのじゃ!!」

「――わぷっ!」

「は、離れるでありんす!!」

「にゃはは!! ご主人達が無事でよかったにゃ!」


 例の如くアレンは青姫に抱き付かれ、顔に胸を押し付けられる。そして、稲姫が全力で引き剥がしにかかる。皆にも怪我は無さそうで、アレンは安堵した。


「赤ん坊も無事か?」

「もちろんにゃ!!」


 赤ん坊は琥珀の腕の中で、キャッキャと喜んでいた。ホームに着くまでは、何かあっても大丈夫なように、琥珀が抱いて帰るとのことだ。サンクエラは盲目だから、やはりここは琥珀に任せた方がいいだろう。


「アレン。お前、すげぇ槍持ってるな」

「……凄い力を感じる」

「ふふふ……今回の戦利品! “神槍グングニル”です!!」


 アレンがドヤ顔で槍を掲げて見せる。


「お、俺にも持たせてくれよ」

「いいですよ」


 ラルフがソワソワしてるので持たせてあげた。


「――お、おぉ!? 持ってるだけで力が湧いて来るぞ!?」

「装備者に<身体能力強化>が付与され、目標を定めて投擲すれば“必中”! しかも、“一角獣(ユニコーン)”の結界すらたやすくやぶる破格の貫通力!! これは名品ですよ!」

「それは“神託武器”だからな」


 アレンが“神槍グングニル”をラルフに自慢していると、ルーヴィアルとサンクエラが近寄ってきた。


「この槍を防ぐなんて……あなた達が本当に無事でよかったわ」

「サンクエラのおかげだよ」

「え?」


 アレンはサンクエラに事の経緯を説明する。サンクエラとの“信頼”が築けていたことで<結界>を使える様になり、ジェニスの“神槍グングニル投擲”を防げたのだと。


「私の力が役に立ったのね! よかった!!」

「うぅむ……サンクエラに手を出されたような、複雑な気分だ……」

「し、“信頼”を築いただけだよ! それを言ったら、ルーヴィアルとだって!」


 ルーヴィアルとの間にも信頼が築けていたので、<侵食>と<複製>を使って“神槍グングニル”の模倣品を作って“一角獣”達を撃退したのだと伝える。


「そうだったな。では、恋愛感情以外でもいいということだな……?」

「そうそう! ……浮気じゃないからな!?」


 ようやくルーヴィアルも納得してくれた。


「水を差す様で申し訳無いけど、続きはホームに戻ってからにしよう。追っ手はいなさそうだけど、念には念を入れよう」

「俺達もいいか?」

「ええ、今更ですよ? 僕達しかいませんし、気にせず来てください」

「ありがとう!」


 ルーヴィアルとサンクエラがエーリッヒに頭を下げる。よしてくださいと慌てるエーリッヒがどこか珍しく、皆で笑い合った。



――その後は幸いに追っ手なども無く、皆で無事に“青ノ翼”ホームへと帰還するのだった。

 


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