078『ひるでの行水・1』
漆黒のブリュンヒルデ
078『ひるでの行水・1』
クロノスが付いてきた理由が分かった。
わたしは、自分の意思に反して行水をしている。
外で行水なんかできるかあああああああ(`#Д#´)!!
叫んだのだが、体の自由がきかず、その場で素っ裸になってお湯を満たした盥に半身を浸している。
「さすがオーディンの娘、見事な体をしておるなあ……」
「み、見るなあ(xДx)!!」
「恥ずかしがるなぁ、ヒンダルフィヨルの麓の川でグズルーンと口喧嘩した時は互いスッポンポンで行水の真っ最中だったじゃないか」
「あ、あれは、女同士だ! 周りに人の気配も無かった! 今みたいに変態ヒヒジジイも居なかったしな!」
「おや……哀れな、傷があるではないか、わき腹と股の付け根に」
「れ、歴戦の姫騎士だ! 古傷の一つや二つはある!」
日ごろは魔力で隠しているが、お湯につかるとホンノリ……いや、かなりハッキリ浮き出てしまう、特に今のような状況ではな。
「どれどれ……」
「み、見るな! 来んな! 触るなあああああ!」
気持ちは100%拒絶しているのだが、か、体が……(;゜Д゜)……じっと見るだけではなく、クロノスは古傷を撫でまわし始めた~~~~~~(;'∀')(;゜o゜)(;゜Д゜)
しょぼくれたクソジジイだが、なんせゼウスとポセイドンの父親、魔力ではとてもかなわない。
「さ、さ、触んなぁぁぁ撫でるなぁぁぁぁ……ひぃぃぃぃぃぃ」
「よし、これでいい」
「ん……?」
古傷がきれいに消えてしまった。
「な、治してくれたのか?」
意外に優しい?
「ああ、これからの任務に差し支えるからなあ」
任務だと?
疑問符が立つと同時に汽笛が聞こえてきた。
ポーーーーーーーーー!
「間に合ったか」
「お、おい!」
この庭は土手道から丸見え!?
上の土手からは蒸気機関車の乗客、その下の土手道からは通行人から丸見えなのだ!




