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冬怪談

予感。


これは、俺が大学生の頃の話。


今日の様に暑い夜のことだった。


自宅で缶チューハイ片手にテレビを見ていると、もはや夏の定番となった心霊特番が放映されていた。


「また、やらせ番組か。いい加減飽きたっつの」


心霊写真、除霊、エピソードのドラマ化、呪われた廃墟でロケ。


お決まりのパターンに嫌気がさしながらも、他に見るような番組が無かった俺は、しぶしぶその番組を見ていた。


「はぁー。くだらね」


三流女優が三流演技で除霊によって苦しむ姿は、別の意味で恐怖が募る。


結局、テレビを消してゲームをしようとした時、ブラックアウトした画面の片隅に一瞬だけ自分以外の人間が映ったように感じた。


「あ?」


すぐに部屋を見渡したが、当然そこには誰もいない。


くだらない心霊番組を見たせいで、変に敏感になってしまっているのだろう。


俺はただの気のせいだったと決めつけて、ゲームの電源を入れた。


今思えばこれが全ての始まりであったのだろう。


そこからずっと誰かの視線のようなものを感じた。


なんだか気味が悪い。


そう思った俺はすぐに寝てしまおうと、部屋の電気を消してベットに潜り込んだが、やはり正体不明の視線は消えない。


しかも、あろうかとか視線はベットの下から感じる。


俺は意を決して再び起き上がり電気をつけてベットの下を確認した。


でも、やはりそこにも何もいなかった。


きっと気にしすぎだ。


俺はため息を吐いて視線を戻すと、


そこにはやはり何もいない。


すると、今度は突然押入れの中から音がした。


俺は生唾を飲み込み、押入れの取っ手にかけ、ゆっくりと扉をスライドさせたが、やはりそこには何もいない。


念のためにまたゆっくりと扉を閉めようとすると、押入れの中から青白い手が出てきて私の手をぐっと掴むかと思いきや、そんな事もなかった。


突然電話が鳴り響いた!


既に時刻は12時を超え、常識ある人間なら絶対に電話をかけたりしない時間。


俺は恐る恐る電話に出ると、女の悲鳴が耳を劈くかと思いきや、ただの間違い電話だった。


受話器を投げるように電話機に叩きつけ、「ふざけんなよ!」と声にするが、内心安心していた。


だが、それもつかのま。


今度は浴槽から音がする。


ポチャン、ポチャン。


微かだが間違いない。水漏れの音だ。


俺はビクビク震えながら浴槽の扉を開くと、そこは真っ赤な血で染まり切っているかと思ったがそんなことはなく、


ただシャワーから水滴が漏れていた。


「ビビらせんなよ!!」


俺はシャワーを力一杯に閉め、再び部屋へと戻ると。


誰もいないはずなのに、そこには真っ白い服を着た女が立っていた!!




俺は思わず叫んだ!!!










「結局でるんかーーーーーい!!!」




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