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3-話「俺の信じる道」

俺は落ち着きを取り戻しスマフォの画面を見た。

そこには1つの通知が来ていた。

【報酬】

そう書かれていた。俺は画面を下にスクロールし詳細を確認した。


ここに地図と食料の在処を配布する。


一言の文と一緒にこの島の地図が映し出されていた。

島の中心部に☆印が付いていた。

きっとこの場所が俺たちの求めている食料の場所だろう。

俺は立ち上がった。

「行こう…生き残るために…!」

「…うん!」

俺と玲はここから約4・5キロ先にある食料の場所を目指した。

銃は俺が持ち玲には弾丸を持ってもらった。

「大丈夫?」

玲が心配そうにこちらに顔を向けている。目元の腫れは治まってきた。

よかった…。

「あぁ、問題ないよ」

正直に言うと今にでも下ろしたい。

けど、俺のせいで迷惑をかけたんだ、俺がここで折れてしまったらいけないと思う。

それにここで止まったりなんかして殺られてしまったらそれこそ俺は自分を許せないだろう。

俺は玲の前を歩いて行った。


**********************************


廃屋を出発し、どのくらい時間が過ぎたのだろうか?

遠くから時々聞こえる銃声音。きっと生き残るために殺し合っているのだろう…。

俺が殺した人達が脳裏に浮かび上がる。

恐怖で強張った人、どこかへ逃げようと必死な人、途方にくれて辺りを見回し助けを乞うていた人。

みんな生に縋りつこうと必死なのだ。

俺だって現に人を殺し生きている。弱肉強食の世界から逃げた人間はこんなにも弱く、そしてズル賢い。

人を騙し得をする。

こんな世界だ、本当に信じれるものなんてたった一握り、いや一握りもないかもしれない。

どっかの誰かが言ってたような気がする。「人間は助け合わなきゃいけない」と…。

それは一理ある。けれども人間は自分に利がないと判断すればきっと切り離すだろう。

儚い友情だ…。

「涼夜君、大丈夫?」

「ん?あ、あぁ大丈夫だよ。少し考え事しててね」

笑顔を作り玲に言う。

色々考えている間にも銃声が聞こえた。俺は少し歩幅を広げ歩く速さを変える。

「ごめん、早く行こう?じゃないと俺たちだって巻き込まれる」

「う、うん」

玲もさっきから鳴り響いている銃声が気になっていたのかすぐに返事をした。

俺たちはスマフォの画面を見ながら移動する。

どうやらGPSが使用されており俺の位置が表示されている。

目的地の場所まであともう少しだ。

息を切らしながらも着実に進む。


・・・・・あれから数分後、銃声は鳴り響いているが目の前には小さな洞窟があった。

まるで隠れ家のような場所にある。あたりには木々が生い茂っており地図がなければ全くと言っていいほどわからないだろう。強運があれば別だが…。

「大丈夫?涼夜君」

「うん、問題ないよ」

俺たちはその小さな洞窟へ入った。

驚いた。入り口は小さかったのに中に入ると結構広い。

よく見るとこの奥に箱らしきものがあるのが何となくだがわかった。

「あれが…」

俺たちは木箱の方へと歩く。その時だった。

「動くな!」

ガチャリと銃を構えた音がした。まだ暗闇に慣れていない目はその人物を捉えられなかった。

今銃を撃たれてしまったらまずい。俺はゆっくりと玲を背後に移動させて慎重に言葉を選んだ。

「落ち着いてくれ、俺たちは殺す気なんてない」

銃が降ろされた気配はない。緊迫した空気のまま時間は流れる。

でも、そのおかげで目は暗闇になれその人物を目視することができた。

見た感じ中年の軍人さん…みたいな感じだが少しおどおどしている。

あれか…見た目は怖いけど内心優しい。みたいなギャップか、ギャップ萌えってなんかよく聞くけど…これはないな。

ふとそう思いながら目を少し動かす。周りには遮蔽物は無い、ここから逃げるには出口は近いが食料は奪われてしまう。

さて、どうしたものか…。

「あ、あの…」

玲がゆっくりと弱々しい声を出すことによって沈黙が破られた。

「あ”ぁ”」

「ヒッ」

玲は小さな悲鳴をあげた。どうやらお相手方は気が荒立っているようだ。

これは一歩間違えばズドーンだな。

「まぁ落ち着けよ。ここは洞窟、撃てば崩れるかもしれないぞ?」

ただの虚仮威しだ。この洞窟は大きく崩れることはないだろう。

けど、今のおっさんには効果的なのかもしれない。危険な方を渡るよりも今こうして俺たちに銃を向け身動きが取れないようにした方がいい。そう判断するはずだ。

「…チッ、いいからここから出て行け!ここは先に俺が見つけたんだ!」

声が反響する。こんな大声出したら周りにバレるっつうの。

「いぃや、出て行くつもりはない。こうしないか?食料の半分はお前が持っていってもかまわない。これじゃ、ダメか?」

これなら半分だが食料を奪える。けれどきっとこれには反対するだろう。

さて…どうしたものか。

「いやダメだ。お前たちがここから去れ、さもなくば殺す!」

相変わらずの怒鳴り声。周りの気配にも気を配りながら俺は玲の持っていたウェルロッドを片手で握る。

「玲、俺が合図したらどこでもいい、走ってくれ」

小声でそう言った。

「え?」

玲も小声で返す。

「おい、何コソコソ話している。いいから出て行け!」

俺の両手には銃があるが多すぎて撃てないだろうとでも思っているのか?

銃を置いて行けと言えば食料も武器も手に入る。

相当焦っている様子がわかる。

「…」

「何黙ってやがる、さっさと諦めろ!」

「さっきからうるさいよ。周りに気づかれるだろ?」

俺は銃の持っていない方の手で玲の肩を叩き、男に向かって走り出した。

玲も慌てて走った。

「な…!?」

俺たちが反撃をしないとでも思っていたのだろうか?

なら甘く見過ぎだ、俺は人殺し。これは変わらない事実、けど、俺にだって生きたいし守りたいものがある。そのためなら…。

「俺が提案を持ちかけた時に飲むべきだった。少なくとも半分は食えたよ」

俺は悲しい目をし、おっさんを見つめた。

俺は薄情になってしまったのだと、この時気付いた。

「う、うわぁぁ!」

おっさんが手に持っている銃を乱射する。

今わかったことがある。人間は危機的な状況になった時持っている武器を無闇矢鱈に使って難を凌ごうとする。

それが正解か否か、定かではないがきっとそれは否。

パニックに陥れば冷静さが欠け最善の手を尽くすことができない。

「おっさんが生きたいように、俺たちも生きたいんだよ。ごめんな」

俺は撃ってきた銃弾が2、3発掠れる程度でギリギリ避け距離を詰める。

カチカチと銃弾を切らした音がした。

おっさんは銃弾が出ないことに焦りを感じ何度も出るはずのない銃の引き金を引く。

「この!このっ!」

目からは大粒の涙、だらしなく垂れる鼻水。相当生きたいんだろう…だから、俺は…自分の信じた最善の未来を歩む。

「これでチェックメイトだ!」

俺はおっさんの背後に周りウェルロッドの柄の部分、簡単に言うと持つ部分の先を強くおっさんの首と後頭部の付け根あたりに殴りかかった。

おっさんはその場に力なく倒れた。

「涼夜君…!」

どこから出てきたのか玲がこちらを見ていた。

「ん?あぁ、よかった無事だったんだね」

俺は笑顔を作り玲を見た。

「おじさん、死んじゃったの?」

「いや、死んではないはずだよ」

俺はおっさんを見つめながら言った。

「そっか、傷、大丈夫?」

俺は擦り傷の場所を確認した。

横腹と左の太もも辺りに赤く染みているがそこまで痛くはない。

「うん、大丈夫」

俺はそう言葉を返し木箱の方へと歩を進めた。

木箱は全部で4つ。中身を確認するとそこには乾パン・ドライフルーツ・水・缶詰がそれぞれ分けて木箱に入れられていた。

これだけで1週間2週間は持ちそうだ。

まぁそんなに長くはいたくないが…。

「結構あるね…」

「あぁ」

俺はゆっくりとすぐそこに腰を下ろした。

やはり擦り傷でも体力は消耗するようだ。睡魔が少しずつだが襲ってくる。

「玲、悪いけど少し寝てもいいかな?」

この状況、あのおっさんを放って眠るのは危険だがきっと玲なら何とか対処できるだろう。

「うん、ゆっくり休んでて」

玲は優しい笑顔でそう言ってくれた。

「うん、ありがとう…」

そう言い俺は瞼を閉じ眠りについた。

不定期ですみませんm(_ _)m

今主は少し負の感情を抱いていてなかなか書けなかったんです。

とまぁ、これはいいとして…今回涼夜君は鉢合わせたおじさんと戦闘になったけど器用なことで気絶させて勝利!本当に一般人なのかと疑うねw

まぁ人は何かのきっかけで変わる生き物ですから戦闘にでも特化したと思ってくれればいいよ

さて次回は玲sideの目線で物語を書こうか。

みんなも負の感情に負けるなよ!

堕天使

近日検定の最中小説投稿

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