くすりの家
だんご虫さんが、のりものから おりると、そこは 夏の村の はしっこにある 薬草えんの まえでした。
「この のりものは 音が大きいから、びっくりしないよう ここに とめたヨー!じゃあ、おくさんに よろしくネー。」
ニコニコとした えがおで そういうと、スカラベさんは のりもので もどって行きました。
だんご虫さんは おくってくれた スカラベさんに むかって 大きく手をふりながら 「ありがとう!あっと いうまだったよ!」と いいました。
薬草えんの まわりのみちを 歩いていくと すぐに こげちゃ色の さんかくのやねが 見えてきました。薬の家です。
薬の家のしょうめんには りっぱな 大とびらが あります。けがをした人や びょうきの人を ささえて 入れるように です。
だんご虫さんは 大とびらに えがかれた 薬草の 絵の 上にある 大人ようの ノッカーを コンコンコンと 三回 ならしました。
しぱらくすると 中から ふさふさひげの おじさんが 出てきました。
「こんにちは、だんご虫先生。まいにち まいにち まめなやつだな。 待ちきれないのは わかるが こういうことは のんびりと かまえておけ。 」
少し ぶっきらぼうに そういうと おじさんは だんご虫さんに中に 入るように すすめました。
薬の家は いつも ピカピカに みがかれています。
中は 広くて とびらが 五つならんで いました。
だんご虫さんは 三つめの とびらのまえで とまり、おみやげのアイスクリームを 見て にっこりしながら こえをかけました。
「ぼくです。だんご虫です。」




