すからべさん
子どものいえと 村人たちが よんでいる あげはちょうさんの いえから、だんご虫さんが 出てきた ちょうど そのとき、なにやら プープーと 音が きこえて きました。
だんご虫さんを 見おくりに 出ていた 子どもたちは、音の 正体を よく しっている ようです。
「すからべさんだよ!」
「ものづくりのいえだー!!」
などなど、こちらに むかって じめん すれすれを とんでくる ちゃ色いものに 手をふります。
だんご虫さんは、目を ぱちくりと しつつ、とんでくる ちゃ色のはこの 中に いる じんぶつを 見ました。
どうやら、本当に すからべさんの ようです。
すからべさんを のせた はこは、すこしずつ スピードを おとし だんご虫さんの まえに とまりました。
ちゃ色の はこの 中から すからべさんが 出てきました。
「コンニチハ コンニチハ、みんな。 だんご虫さんいたネー。きょうも 大しんゆうに あえるなんて とっても いい日ダー。」
「こんにちは、すからべさん。ぼくも あえて うれしい ですよ。きょうは かわった ものに のってきましたね。それは、なんですか。」
「ボクの あたらしい はつめいひん みてみて、かっこいいでショ。まえに だんご虫さんから きいた でんせつの どうぐを つくりましター。おいもの パワーで とばしていまスー。」
だんご虫さんと すからべさんが 二人で はなしを していると いつのまにか ちゃ色の のりものの 中に 子どもたちが すわって、あそんでいます。それを みた すからべさんは、こう いいました。
「ミンナ、あとで もう いちど くるから そのときに ぜんいん のせて あげるヨー。だんご虫さんを くすりの いえ まで おくって くるから 、まっててネー。」
「まってるよ!はやく もどって きてね!」
「きのう みたいに むらの まわり いっぱい まわってね。 」
「やだよう。きょうは ものづくりの いえの 中を みせて もらうんだよ。」
すからべさんは、わっはははと 大きな 大きな 口を あけて わらうと、「ミンナ じゅんばんネー。だいじょうぶ、まっててネー。」と いいました。
そうして、のりものの 中に 入り、だんご虫さんを てまねき しながら せつめいを しだしました。
「ココに すわってネー。たつと あぶないから かならず すわること、とんでいる あいだは この レバーを つかんでてネー。そうじゅうは ボクが するから だいじょうぶヨー。じゅんび できたら、すぐに はっしん するヨー。じゃあ、みんな また あとでね!」
だんご虫さんは、見おくりの 子どもたちに 手を ふりながら のりものに のりこみました。中の いすに、だんご虫さんの おしりが のったとたん ちゃ色の はこが ゆっくりと うき上がりだしました。
「レバー もってネー。」
ちゃ色の のりものは、すからべさんの こえが あいずかの ように、 プーーーと ひときわ 大きな 音を ひびかせ とんでいってしまいました。




