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「僕・・・・どうしたら良いの?」
「怖い・・・・怖いよぅ・・・・」
アルバは、震えていた。
レオンの犠牲にしないという言葉は、
本気で言ってくれていた。
それは、分かった・・けれど、アルバには、
レオン達には、まだアクリシオス島の領主を倒す
力が無いと言うことが、
そして、ケートスから島民を解放する力も
足りないという事を感じてしまった。
(水が、風が、大地が、哀しんでいる、
混乱してる・・・
人の哀しみが渦巻いている。)
憎しみ、哀しみの感情があるけれど、
レオンと共にアクリシオス島と戦おうと
感じている人はとても少ない・・。
「・・・・・僕を生贄に出してアクリシオス島から
助けて貰わないと生き残れないと感じている。
災いを振りまくケートスを宥めようと願っている・・。」
ポタリポタリと幼くあどけない頬を伝ってきた
涙がアルバにと用意してくれたベッドのシーツに
零れ落ちれ染みてゆく。
「母様・・・・父様・・・・僕、
怖いんだ・・とにかく怖いよ・・」
僕を捕まえられなかったらどうなるのだろう?
僕が生贄にならなかったら、
アクリシオス島の領主は、どうするのだろうか?
島の人はもっと酷い事になるのだろうか?
知らない人だからって、
酷い目に合っていいわけじゃない。
「僕・・・・どうしたら良いの?」