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うっすらとレオンが弓矢から庇ってくれた事を思い出した。
アルバが、気が付いたときには
見知らぬベットで眠っていた。
「・・・そう・・そうだ!レオン!レオンはどこ?」
慌てて起き上がったものの、激しくどこかで打ったのか、
ズキズキと痛みを訴える頭を右手で押さえながら
レオンの姿を探す。
記憶が混乱して意識が何処かぼんやりとしているが、
何だかレオンを急いで探さなければならない気がして、
ベッドに座ったままで、辺りを見回すが、それらしい姿が見えない。
僕達、は・・・一体どうなったのだった?
領主の人質になってしまった、
母と共に僕を育ててくれた人達
彼らを助けようとして・・
「僕は・・・僕は、確かに岩棚を見付からないように
上りきって・・屋敷の人達を眠らせたはず
ちゃんと・・・・皆を解放出来たよね?」
呟きながら痛む頭を押さえてベットを降りる。
ベットは、ずいぶんと質素な物で、
海に漂う流木を組み合わせて作ったのか、
ちぐはぐな大きさもそのままの木と葉で出来たベットだった。
「アルバ!」
力強い少女の声に、アルバは急いで振り向く。
レオンが、右腕を肩から吊り下げた状態で
此方を見ていた。
「レオン!大丈夫・・・・ではなかったんだね・・やっぱり。」
レオンの痛々しい様子を見てアルバは、シュンとする。
その様子を見てレオンは、慰めるように
アルバの肩に左手を置いて顔を窺う
「アルバ、お前は怪我は無いのか?」
「・・・ん・・・ちょっと頭が痛いけど大丈夫だよ」
レオンの言葉に、アルバは自分の頭を
押さえて答えた。
どうやら、アルバとレオンは人質達を助けた後で、
領主の屋敷で眠りの術に
かかり切っていなかった者に攻撃され、
その時に崖から落ちたようだった。
うっすらとレオンが弓矢から庇ってくれた事を思い出した。