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(ああ・・・・・レオン、凄くカッコイイ・・・)
「・・・・島に、皆に手を出さないで・・・・」
アルバの声に反応して、
海から現れた怪物であるケートスの無慈悲な力が
敵の船団へと振るわれた。
「恵みの水を・・・」
アルバの願いに応えて、アルバの居る
島の井戸から水が溢れ
「船に恵みを・・・」
アルバの祈りに応えてその航海が
格段に平穏に進んだ。
海の成獣であるケートスを従えた
アルバは、まるで島民達の神のようになった。
「アルバ・・・・・大丈夫か?」
優しく孤独なアルバに、
レオンと母のエーティルは、寄り添った。
レオンとエーティルは、知っていたから、
涙を流しながら、
口から血を吐きながら
倒れながら、
アルバがケートスの力を使っているのを、知っていたから。
ケートスの力は、元々たった一人の代償で
使えるようなものではなかったのだから。
レオンは考えて、考え尽くして答えを出した。
「アルバ・・・・・・・俺・・・
いや、私と結婚してくれ・・・・・・・
アルバの重荷を私にも背負わせてくれ、
アルバは、ケートスに、
自分と自分の血族を捧げると誓っただろう?
それを私と、
そして、これから生まれてくるお前と
私の子にも・・・・・・背負わせてやってくれ
一人一人の負担が出来るだけ少なくなるように
私は、出来るだけたくさん生むから・・・・。」
言ってしまってから、レオンは、
顔を真っ赤っかにした。
チラリとアルバの方を見ると、
最近青ざめていたアルバも顔も
真っ赤に染まっていた。
「そんなの・・・・・・駄目だよ・・・・・そんな事で、
僕は、レオンにそんな事・・・・
僕は、レオンが好きだから・・
そんな重荷を・・・・」
あわあわ、ぶつぶつ言うアルバの
口をレオンが自分の唇で塞いだ。
(ああ・・・・・レオン、凄くカッコイイ・・・)
アルバは、ぼんやりしてきた頭でそう考えた。




