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『ケートス!!
海の聖獣ケートス!!!』
アルバは、海に飛び込んだ。
「レオン~!!
レオンどこ!!・・・・・母様!母様も居ない!!」
ついにアクリシオス島主リュデクテスが本気で牙を剥いた。
堂々と大きな軍船を率いてリュデクテスが攻めてきた。
島民たちは、自分たちの島主の名を、
そして、小さな英雄アルバの名前を叫びながら
アクリシオス島のリュデクテス達に捕まっていった。
気が付けば、母が、そしてレオンが居なくなっていた。
「母様が・・・・レオンが・・・・皆が・・。」
レオンの海賊達も抵抗をしようとしたが、
軍隊には敵わなくて、少なからず死傷者を出す形で
頭であるレオンを連れ去られてしまった。
「助けて・・・・助けて下さい
小さな英雄アルバ!!!!」
島民の声が聞こえる。
「済まない・・・・・我らが不甲斐ないばかりに・・」
島主の声が聞こえる。
皆泣いているのに・・・
僕も泣いているのに、何故・・・
奪わないで、守りたいのに、傍に居て欲しいのに・・・・・・・・
アルバは、駆け出した。
力がないと言うのなら、
力は力、使うもの次第だと言うのなら、
これしか僕には、大好きな人を守る方法を知らないから・・・・・。
『ケートス!!
海の聖獣ケートス!!!』
アルバは、海に飛び込んだ。