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どうしよう・・・


怖い・・・














「・・・・僕が、アルバです・・・


聖獣を逃がした言われる事に対して、母様は、関係無い・・・


その女の人もその子も


可哀想に思ってくれただけ・・。」




アルバは、母のエーティルも


領主の館から来てくれた女の人も


それからレオンも傷つけたくなかった。




「僕を・・・・連れて行くと良い・・


僕を、連れて行って。」










罪人アルバを捕らえたと興奮する島民達に囲まれ


アルバは、島の中を歩かせられた。


静かに歩くアルバが、逃げないように


肩や、腕を掴んだ島民の男達が、あまりのアルバの


小ささと、細さに思わず眉を寄せるが、


周りに急かされて、そのままアルバを引き立てて行く。




「アルバ!・・・アルバ!!・・・・」


母のエーティルの涙まじりの叫び声が聞こえる


アルバを返して欲しいと悲痛な声を出している。




「・・かあ・・さま・・・母様・・・・」


唇を噛み締めてアルバは、前に進んでゆく、




「アルバぁあ!!!」


レオンの叫びも聞こえる。




(レオン、僕に構わないで怪我の治療して)


体が震えるのを、涙が零れ落ちそうになるのを


アルバは、必死で我慢した。










幾日が、過ぎたのだろうか


一つの夜と昼が過ぎたとは思われたが、


アルバはその間、皆から引き離されて、


暗い何処かの物置のような所に入れられていた。




精霊を使えばそこを逃げ出せたかも知れなかったが、


島中が敵となっている中逃げ切れるとも思えなかった。


繰り返し繰り返し、


どうしよう・・・


怖い・・・・


ガチガチと歯を鳴らしながら


青ざめた顔でアルバは、そればかり考えていた。




小船に乗せられ、激しく波が打ちつける


海の岩場に連れて来られたアルバは、


岩に鎖でつながれる為に


ずっと頭から被っていた布を取り払われた。




繋ごうとしていた男達が幼くて愛らしいアルバの姿に


戸惑うような表情を浮かべるが、


海岸で見ている島民達の、急かす声に


そっとアルバに鎖を巻きつける。




「・・・あれが、罪人のアルバなのか?


まだ小さい子供で無いか・・・・あんなにか弱くて


可愛らしい子供が本当に?・・・」


「とても罪人には、見えないぞ・・・あんなに小さい子を


化け物に捧げるなんてかわいそうでは無いか?」




あまりにも幼くか弱いその姿に


島民は、思わずそう呟くが、だったらどうするのかと、


顔を見合わせ、アルバの小さな体に


まるで鋼鉄の衣装ででもあるように鎖が巻きつけられているのを


見守っていた。





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