グールでも出来る飯屋の作り方-味噌、醤油編-
□前書き
前回まではなんか工業的なことばかりやってきたので今回は人間が生きていくのに必要な『衣食住』の中でも一番重要な『食』関係の話題をやろうと思います。
まあ異世界行くわけだけど現代日本からするとその異世界の食文化が発展してなかったりする設定は鉄板だよね。
そして異世界に行った勇者たちは異世界の飯を食って思うわけだ。
『故郷の飯が懐かしい』、『和食が食いてえ』と
で、和食作って料理屋とか酒場開いて人気の店になるってのはよくある設定だね。
さて和食を作るわけだけど、和食において『さしすせそ』と言われるほど基本になる調味料は砂糖、塩、酢、醤油、味噌の5つ。
塩は岩塩の形で取ってこれたり海水を蒸発させれば簡単に取れるし、砂糖もサトウキビとかからとれますし、下手をすれば甘味でいいのならばはちみつとかで 取れますしなんだかんだで手にはいります。
酢に関してはそこそこ醸造の技術が発展していないと手に入りませんが酒があるような設定なら酢は手に入ります。
というかワインとか放置しとくだけで勝手に糖分が発酵してビネガー(酢)になったりしますので酒がある文化なら酢もないとおかしいです。
で、問題となる調味料は味噌と醤油だよ……
これ作るわけだけど意外と知らない人は多い。
まあスーパーとかでお手軽に手に入りますし、専門家が作ったほうが美味しいですしな。
でも趣味で作ったりする人はいるよね。うちの婆ちゃんも作ったりしてた。
今回はその前提のもと作り方を見ていくことにします。
というわけで現代日本で(普通の趣味でやっている人が知れる範囲)の味噌と醤油の作り方始まるよー。
□味噌の作り方
1、大豆をよく洗う。
2、大豆の三倍の量の水に18時間以上つける(まあ丸一日つければいいよ)。
3、大豆を茹でる(指でつまんで潰れるくらいまで)
4、大豆を潰す
5、潰した大豆に塩と麹を混ぜあわせる。
6、桶とかに入れて保管(この際、空気に触れないよう落とし布をして中蓋をし、その上に重しを乗っけてください)
7、約10ヶ月~1年寝かせる。
8、完成
まあ作り方は地域とかによって差があるけどだいたいこんな感じ。
一部作り方がよくわからんものがあるけどそこは後で話すよ。
□醤油の作り方
1、大豆をよく洗う。
2、大豆を水に1日付けておく
3、大豆を茹でる(指でつまんで潰れるくらいまで)
4、小麦を乾煎りする。
5、小麦を砕く
6、砕いた小麦に麹を混ぜる。
7、茹で上がった大豆をトレイに移す(この際、40度以下になるまでうちわなどで仰いで急いで冷ます)
8、冷ました大豆に先ほどの小麦と麹を混ぜたものをふりかけよく混ぜ合わせる。
9、煮沸消毒した布を用意する。
10、固く絞った布を大豆が乾燥しないように大豆に被せ、室温を30度に保ち、放置(この際大豆が発酵により温度が上がりますが28度~30度をキープするように度々かき混ぜてください)
11、だいたい二日後になると大豆表面に緑色の胞子がついてバラバラになるのでその辺りで醤油麹の作成は終了です。
12、出来上がった醤油麹に塩と水を混ぜる量を決める(水は醤油麹に対して1.1倍から1.2倍の量、塩は全体の18%以上)
13、醤油麹に先ほど計算した塩を混ぜ合わせる。
14、醤油麹を熟成させるための容器に移す。
15、水を加える。
16、まんべんなく水が行き渡るようにかき混ぜる。
17、空気が抜けるように中ぶたをして密閉(ビニール袋があると楽なんだけど異世界にそんなものはないよね…)
18、1周間に1度ほど上下を入れ替えるようにかき混ぜる。
19、10ヶ月以上熟成する(長いほうが美味しいと思うけどその辺りは研究を重ねる必要がある)
20、発行したやつをサラシに入れて絞る(この時点で生醤油が完成)
21、80度から85度で30分加熱(火入れ)
22、出来た醤油を再度サラシでろ過。
23、容器に入れて1週間ほど安置して綺麗な上澄みを作りそれをすくう。
24、醤油の完成。
まあこれも作り方は地方によって差がありますがだいたいこんな感じ。
ちなみに味噌も醤油も暑い夏に発酵や熟成が進むので寒い時期に仕込むのが一番適しているらしいよ。
しかし、さっきと同じようにこちらでも作り方がよくわからんものが存在するね…
□麹の話
さて、先程までのは一般人が知ることが出来る範疇での味噌と醤油の作り方だ。
だがそれだと作れないものが一つある……
そう、先程から度々出ていた、『麹』だよ。
こいつが作る上でネックになって来るわけだ。
普通に趣味の範疇で味噌とか醤油作ると大抵『麹』は買ってくるので作らないんだよな……
つか菌を扱うわけなので腐敗とか食中毒が怖いのでまず作らない。
しかも200年位前までは『麹』の作り方は秘中の秘とされ、まず一般に知られていなかった。
今でもあまり知られてないし、普通の人が知る範疇の話だと『種麹』を使って培養する方法くらいまでかな。
最近だと塩麹とか作る人増えてきたしね。
『種麹』の話は研究者レベルの話になる。
□種麹の作り方
というわけで『種麹』の作り方調べてたら出てきたので適当にまとめてみる。
1、米粥を作る。
2、室内で放置。
3、カビが生える。
4、カビをとりわけ、木灰を薄く振りかける。
5、10日以上放置(20日くらいでいいと思う。赤カビとか毛カビ、青カビとか死滅させないといけないし)
6、木灰に強い麹菌だけが生き残る。
7、種麹完成
と以上になります。
まあ見ててわかるけどカビを無差別に生えさせて、更にそこから有益なコウジカビを取り分ける作業やってるから時間かかるよね。
しかもちゃんと分離できてないと食中毒が怖いしいろいろと大変。
なので現代日本で普通に『麹』作るときはちゃんと『種麹』買ってきたほうがいいよw
これは『種麹』がどうしても用意できない時用のやり方ね。
で、あとは適当に出来た『種麹』を蒸した米に巻いて布で包み36度を保ちながら18時間ほど放置し、蒸米を手でほぐし(麹の切り返し)また布で包み5,6時間温度を保ちながら放置。
再度、麹の切り返しを行いまた布でくるんで放置、この後は発行によって米の温度が上がり38度を超えるようになったら何度も手入れを行います。
最初に種麹を巻いた段階から45時間ほど経つと米から栗のような匂いが出るので『麹』が完成。
これで少量の『種麹』を多く培養出来る。
□まとめ
というわけで味噌とか醤油の作り方から『麹』の作り方に飛んだわけだけどいかがだったでしょうか。
まあ発酵食品って結構作るの時間かかるし手間だよね。
適当に書いたけどこれ作るとなると1年以上かかるんだもんな……
ちなみにこの麹、いろいろと便利で日本酒作るときにも使えるし和食の元になったとも言える偉大な菌だ。
最近は某農大漫画でオリゼーとか言われて結構有名になったがな。
今回は米で作ったけど麦など小麦など別の穀物でも出来るのでその辺は改良出来たりすると思う。
しかしまともに安全で美味しいものを作ろうとすると10年くらい吹っ飛ぶよなこれ……
知識だけあっても経験がついてこないし、技術チートやろうにしても道は長く険しいということが再確認できたな……
大量生産編書いてたんですがちょっと電気関連の話題をまとめるのが大変なんで先に飯関係の話題をやることにしました。
次回は大量生産の方に戻ると思います。
ではまた次回。