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2週間後
「ニーナ、オマエ最近どうなってるんだ。顔色が悪い」
両の掌で顔をつつまれ、上を向かされる。
スローンさまがそれをおっしゃいますか?
それにそんなことしたら、どんな子女でも、スローンさまに夢中になってしまいます。
嘗ての私みたいに。
もう、ドキドキできなくなってしまったけれど。
「大丈夫デスヨ。母が会ってほしい殿方がいると、うるさいのでこのあと会うことになっていて、少し緊張しています」
本当は、フランツとその相手の女の子を見ることが嫌。
いつものポーカーフェイスを崩さずにいられるか、スローンさまのときのようにしていられるかどうか心配。
でも貫かねばならない。
フランツに傷がつく。
「嫁にいけと、周りがうるさいんです。最近…
…母が来ました。行ってきます。済みしだい仕事に戻ります」
できればもう少しほっといてほしいのに。
「いや、済んだらちょっと休め。今にも倒れそうに見えるほどよくみえない」
「大げさです。行ってきます」
「こんばんは、かあさま。」
「…ニーナ、あなたスローンさんと…」
見てたのか。最初から。やなとこ見られたなー…
「かあさま、紹介していただけるという殿方はどなたです?ちょっとでてきただけで、仕事おわってるわけじゃないんです」
「…スローンさんでもいいのよ」
…。なにいいだすのかとおもいきや、なかなか鋭い…。
「でもいいのよっで、選べるかたじゃないわよ。かあさま」
スローンさまは私にはもったいなさすぎる。
「この方はエリックさん、あなたの一つ上の男爵なのよ」
紹介され、なかなかのイケメンとおもいつつ、いろいろ聞かれたり話されたりしているけど申し訳ないとおもいつつ半分上の空
それがばれてるのか若干困っていらっしゃる。
最初弟のアランもいてくれた。
フランツが今日は遅れてくることを伝えてくれ、顔色がよくないことを心配してしばらくそばにいてくれたが、母にあんたには紹介したいご令嬢があちらにいるとひっぱられていった。
私と同じ目にあうがいい。
「フロアの入り口が気になりますか?」
エリックさんに指摘されドキッとした。
「え?」
…なんとごまかそう
「庭へ出ませんか。静かなところでお話しましょう。やっと話すことができたんだ。僕に集中していただきたいな。いつもはアランがしっかりガードしてますからね。いいチャンスを夫人にいただきました」
っと爽やかに苦笑された。
この方は本当に丁寧だ。
結婚
結婚がよくわからないけど、こういう人ならば、日々穏やかに過ごせるのではなかろうか。
もし、あのままフランツとしていたら、どうだったのだろう。
してもしょうがない想像…
私などしないほうがいいきがしてきた
振り回されすぎて、しばらく自分がどこにあるのかわからない状態がながすぎた。
「フランツか到着したみたいですね。今日もあのご令嬢を伴なって…
これは、もう決まり、なのかな」
え?
フロアの入り口をみると、フランツよりいくつか年下であろう令嬢を連れてフランツがはいってきた。
かあさまがいっていたのはこの事か。
正解だよ、フランツ。
あんたの横に私は決してにあわない。
スローンさまは、私には不似合いで贅沢品だったけど、フランツもだ。
「すごく顔色が悪いですよ。やっぱり庭で休んだほうが…」
え、庭?
あ、だめだ。庭までもたない。顔色が悪いって言われてたのは体調が悪かったせいなのかな
体の力が抜けていく…
「ニーナさん?!」
「ニーナ」
「姉貴」
遠くでいろいろな声が聞こえるのに、ニナと呼んでもらえない
しょうがない。
あのとき、私はそういう選択をしたのだ。
それにフランツは応えた
ただ、それだけ。
「アラン、ニーナとスローンさんのことシッテタワネ ( ・`ω・´)」
「…。知らないよ、母上」
「なんで言わなかったの!例え爵位なくても優良物件じゃない!」
「…。知らないってば (・c_,・)」
「嘘おっしゃい!知ってたからフランツはあそこに入ったんでしょ!それならフランツじゃなくてもよかったじゃない」
「…母上、それフランツ泣くよ」