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抹殺者の非日常(途中経過)

アドバイス等お願いします<(_ _)>

 遥か昔の話をしよう。

 人間には七つの罪が存在した。

 七つの罪を犯した人間は、魔に体を支配され、人間を殺さなければ生きてはいけなくなった。

 人はそれを罪人(グール)と呼び、罪人が世界を支配した時代を暗黒時代と呼んだ。

 暗黒時代は終わることはないと言われていたが、罪人に立ち向かった人間がいた。

 それは誰か?


 抹殺者(アサシン)だ。


 ……とか自分の思考で解説してみたのは良いが、全く意味が理解できん。

 空想の話ならまだ理解してやってもいいけど、現実の話だったら別だ。理解できる輩は脳味噌が白子で作られた代物に違いない。

 そんなことを考えながら机の上に突っ伏してる訳だが、最近自分の思考と口論しても無意味って事が発覚した。回りから見たら異常者かも知れないが、俺は健全な高校生だ。街中で歩いている人を見たら戦闘を申し込むような不審者ではない(根拠はない)。

 まぁこんな健全な高校生の俺なんだが、一つ私生活でおかしいと思う部分がある。

 「それはなんだい?」って訊いてくれるやつがいねぇから優雅に独り言でもしてみようじゃないか。

 なんで俺は――


「――抹殺者なんてやってんだ? おかしいことこの上ねぇよ」

 高校生で抹殺者……俺は厨二病ではない。ただ厨二的展開なのは認めよう。

 「なんで僕は抹殺者なんですか?」って訊いたところで鼻で笑われるか、近場の精神病院を脳内にインプットするだけ。辛い未来しか見えねぇ。

 なんで抹殺者なんてやってるか思い当るところ、俺の両親が抹殺者じゃなかったらこんな事態を引き起こしてなかった。

 今ではその両親も他界で、訳のわかんねぇ職業だけ無理やり継がせて逝きやがった。実にワンダフルな方々だ、こんちくしょう。

 ついでだが遺言は「夜食はカレーライス(特盛り)だからチンして食べてね。お母さんとお父さんは世界を変えてきます」だ。夜食の領域を超えてるだろ。突っ込みどころはいろいろあるが、世界を変えてきますとは何事だろうか。

 帰ってきたところにカレーライス(特盛り)をパイ投げの如く顔面に投げつける予定だったが、帰って来なかった……。

 その代わりに親父達と一緒に働いていた自称抹殺者が遺言を届けに来て、親父達の穴埋めに俺を抹殺者に引き込んだ。

 親父達の死因も気になってたから抹殺者の仕事を引き受けたが、結局未だに死因は分かってない。予想は付いているけど。

 まぁ最近となっては気にはなってるが、どうでも良くもなってきている。時間とは怖いもんだ。

 時間に恐怖を抱きながらボケーっと机に突っ伏してると、いきなり目の前にベルリンの壁か何かが立ちふさがる。

「おい獅子薙(ししなぎ)、今すぐ姿勢を正せ」

 俺の前に立ちはだかったのは、どうでもいい筋肉を体に(こしら)えた教師の八城(やしろ)だ。

 突っ伏した体勢を優等生の体勢(背筋を伸ばした体勢)に移行する。

「ふん。それでいい……」

八城はそのまま丸太のような腕で風を切り黒板まで移動しチョークを握る。

「――それでここはこうなる。わかったか、おま――」

 パシュ!

「あっはぁ! またチョーク殺っちまったよ」

 笑顔ですごい事を発言する八城の手に握られていたチョークが、片栗粉みたいな粉末に化す。一時間目だけで数本のチョークが粉砕されるってどこの紛争地帯だよ……いや数本だけじゃすまんか。

 キーンコーンカーンコーン。

 チョークが殺害されたと同時に授業の終わりを告げるチャイムが鳴り響く。

「それじゃあ今日はこれで終了だ。解散!」

 八城の号令とともに、周囲から生徒達の会話が花を咲かせる。

 俺はすぐに机にヘッドバットをかます勢いで突っ伏す。

 そのまま寝ようとしたが誰かに頭を鷲掴みされる。なんてバーバリズムな奴なんだ。

「――おいおい、(いん)。俺に無断で寝るなんて、拳で世界を破壊しようとしてるやつ並みにおかしくないか?」

 いや、C級以下のネタはともかくおかしいのはお前の方だと糸電話で叫びたい。なぜに糸電話なのかは割愛だ。

 雑学だが陰ってのは俺の名前だ。根暗じゃない事だけ保障しよう。

 バンバンと二回机を叩かれる。先ほど曰く拳で机を破壊する気だろうか。

 それだけは止めて頂きたいから俺は顔を上げる。

「やっと起きたか。相変わらず溜息しか出ないような顔だな」

 溜息したい顔立ちってどんなのだよ。少なくともお前の顔だろ。

「うっせぇよ。Z指定されそうな顔しやがって」

 Z指定とか我ながら意味分かんねぇ。

「Z指定? ふっ……まぁ俺の顔から大人の香りが漂うのは止めようがないのだよ。おっと餓鬼には分からないかな?」

 違う意味に解釈されてしまったがこいつの自画自賛のスキルが上回ったってことか。ここまで行くと新手の病気かもしれん。

「で? 何しに来たんだよ天狗(てんぐ)。 喧嘩売りに来ただけか?」

「まぁそんな感じだ。特に何もないが、鷲掴みにしてみただけとゆうギャルゲー的展開をだな……」

 また山撫天狗のくんずほぐれつしっぽりむふふな、ギャルゲーワールドを展開し始めた。

 言っておくがこいつは重度のヲタクだ。ついでだが天狗曰くスク水萌えらしい。かなりどうでもいい。

 なんで目の前でフヒヒヒって不気味に笑ってるこいつと会話してるのか分かんねぇが、強いて言うなら避けられない現実と言うやつだ。

 なぜならこいつも抹殺者だからだ。

 こいつの親は俺の親と同じで抹殺者のとち狂った親で、その後継ぎとして抹殺者をやっている。俺と違うって言ったら親が亡くなっていないってことくらいだ。

 センチメンタルに浸ってるってのに、まだ不気味に笑ってるこいつの対処方法は無視して寝る事らしい。

 そのまま机に突っ伏――したはずなんだが現実に戻ってきた天狗にまた頭を鷲掴みにされる。

「正気か? 今の天狗ルートだぞ!? これだからお前は……」

 正気もなにも、ホモルートを通るほどアブノーマルじゃねぇ。


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