72.魔道具の完成
(1)0歳編
エリアーナSide
あれから数日ーーー。
髪色を変える魔道具“色彩変更リボン”と、瞳の色は変える魔道具“色彩変更ピアス”が完成した。
髪の方は、リボンの留め具に魔石をはめ込み、その日の気分でリボン部分を付け替えられる仕様に。
瞳の方は、耳飾りにして両耳につける仕様に。
つける時は落ちないように、“状態固定”の魔法をかけて完成だ。
さらに、楽しくなって、髪色も瞳の色も複数の色から選べるように作った。
鉱石の色次第で、無限にできるかもしれない。
シア姉様とヨシュ兄様にも試してもらい、ファッションショーのように遊んだり、家族にお披露目して、内々でたくさん増やして皆んなで楽しもうということになった。
唯一金髪じゃないお祖母様が金髪になったり、お祖父様がお祖母様の髪色の栗色になったり、楽しかった。
流石に売りに出したりは悪用も恐れてできないが、イル兄様とセレ姉様のお土産に決定した。
王都出発まで10日ほどーーー。
無事に完成してよかった。
私は精霊様たちの要望で、全員の髪色分カラーチェンジしたことは言うまでもない。
出発までの残り日数も少なくなり、同行の使用人も決まった。
専属使用人はもちろん、シア姉様とヨシュ兄様に見習い候補の使用人が付くことになった。
例年よりは少し早いそうだが、勉強のためにも同行させるそう。
2人と同い年のトリアとヴァルド。
トリアは、クロエの妹でロナの娘。
ヴァルドは、ルナの息子だ。
同行が決まり、2人といる時間も増えた。
と言うより、シア姉様とヨシュ兄様といる時間が増えた。
魔道具作りがひと段落したので、王都や王家、4つの公爵家について改めて勉強するためと、マナーの勉強をするためだ。
姉様たちが習ったことを私に教え、復習もすると言う感じで、日々勉強をしている。
逆に王都行きが近づき、大人達は忙しさが増した。
なかなか一緒に居れず、朝晩の食事は家族の時間だが、皆んなが揃わないこともしばしば……。
体を壊さないといいのだけれど……。
12の月は冬だ。
寒くなってきて、雪も降ってきた。
カルティール家の領地“ティジル”は王都の東側に位置し、季節の移り変わりがはっきりしている地域。
寒くなってきたから王都行きも近づいてきていると言うことだが、風邪などをひきやすい時期になってきたと言うこと。
より一層、引き締めなければ……。




