45.愛し子の存在
(1)0歳編
サイモンSide
なぜ、この家が選ばれたのだろう?
確かにここイールスハイド王国は豊かで安全性の高い国だ。
多くの友好国と手を取り合い、文化、魔法、技術を発展させている世界屈指の大国。
そう考えれば確かに理解はできるが、なぜ我が家だったのか?
王家でも良かっただろうし、他の公爵家でも良かったはず。
それが、我が家だったこと、私の娘として生まれてきてくれたことには何か意味があるのではないだろうか?
『闇:簡単な話、姫が望んだのじゃ。事情があり、神達が姫の望みを叶えることにされた。そこで姫がいくつか望まれ神達がそれを叶えた結果が、この家への誕生じゃ』
よくわからない部分もあったが、おおむねリアの望みらしい。
愛し子とは魂の状態で、願い事、望みが言えるのか……。
多分考えるべきは、そこではないだろうが、リアがこの家を望んでくれたのだからいい環境で過ごせるようにしたい。
「ミハイル:リアは何を望んでいるのですか?」
『火:優しく温かい家族、もふもふだ。他にもあるがそれはまた今度だな。その願いを神が吟味しこの家に決まった』
優しく温かい家族……神様達は私たちをその家族だと認めてくれたと言うことなのか?
火の精霊様に目を向けると、頷いた。
考えていたことが伝わったのか?
それならば、神様達の決定に背くことがないように努力しよう。
「祖父:感謝いたします。そして日々努力を欠かさず、研鑽し続けることを誓います」
家族、使用人一同深々と頭を下げる。
きっと神様達は見守ってくれているだろう。
夜も深くなってきたので、ここでお開きにして子供達は湯浴みをさせ寝かせる。
もうじき長男ミハイルと長女セレスティーナは学園に行くために、領都を離れる。
ミハイルは、この春から中等部に入学し、寮生活が始まる。
なかなか会えなくなる前に、しっかり可愛がり、弟妹を可愛がってもらおう。
セレスティーナは、初等部の2年生になる。
王都の屋敷からの通いにはなるが、離れて暮らすことに変わりない。
寂しくなるので、今日は一緒に寝ようかな。
「父:子供達、今日は一緒に寝るかい?」
そう声をかけると、とびきりの笑顔で頷いた。
まだ、マリアやリアとは一緒に寝れぬが、旅立ちの前に1日くらいは家族みんなで寝られるといいな。




