34.晩餐の前に①
(1)0歳編
サイモンSide
マリアを休め、精霊様方が話し合いをすると言うので、部屋から退出し、リアの出産からの慌ただしい出来事で出来ていなかった仕事を片付けに執務室へ向かう。
父と母は、お祝いの采配と各所へ指示を出し、父の執務室へ。
子供達は、勉強をしに各々の部屋へ。
使用人達も仕事をしに各自持ち場へ戻っていった。
マリアの部屋に残ったのは、マリア、リア、グレイス、ロナと部屋の前に2名の護衛、そして精霊様だ。
何を話しているのかは定かではないが、今は自分にできることをしよう。
部屋につき、まず自分の契約精霊を呼び出す。
ありがたいことに10つの属性中5つの属性に適正ありと言われて、契約精霊も5人いる。
カルティール家は代々、風属性の適性を持ち、多くの風の精霊と契約をしてきた。
風を操り、情報を多く仕入れ商業を発展させたり、政治に参加してきた。
そんな私も風に適性を持ち、中位の風の精霊と契約をしている。
精霊の階級は、精霊王、大精霊、最高位精霊(原初の精霊)、高位精霊、上位精霊、中位精霊、下位精霊。
契約はできないが、その次に妖精の順に並んでいる。
私が契約しているのは、上位精霊2名、中位精霊3名だ。
風の属性が得意なカルティール家の跡取りだが、私は火属性が一番得意だ。
「父:イオン、コット、ラルー、キティア、ナチュレ」
『イオン:お呼びか?主』
聞きたいことだがあるのだ。
聞かねばならぬことが……。
「父:単刀直入に聞くけど、私はほかの属性も使えるのか?」
上位、中位と位は違うが、私の精霊たちはあまり殺伐とはしていない。
中には、序列がしっかりしていたり、同じ場に呼び出すことを嫌がる精霊もいるという。
だが私の精霊は、割と和気藹々としている方だと思う。
そんな精霊達に聞いてみた。
すると、一様にきょとんとしている。
「父:何かおかしなことを言ったか?」
『イオン:知らなかったのか?この世界の生物は等しく魔力回路が存在する。魔力回路は属性ごとに分かれているわけではない。だから、苦手ではあっても使えるぞ」
火の上位精霊イオンが言う。
他の精霊達も、うんうんと頷いている。
「キティア:知らなかったの?」
知らなかった。
そして教えて欲しかった……。




