24.魔法の使用と精霊
(1)0歳編
サイモンSide
「いい空気ではないということですか?」
清潔さは褒めていただけたが、いい空気というところに引っかかったように思えた。
『闇:お主らはあまり魔法を使わぬじゃろ。契約精霊に日課の魔力譲渡はしていても、魔法の行使はしておらぬ。それがいい空気にならぬ理由じゃ』
どういうことだ?
父や使用人達と顔を見合わせ首を傾げる。
精霊と契約すると約束する毎日の魔力譲渡。
それで、体の疲れをとってもらい、さらに魔力を渡す。
これが我が家や一般的に人が行う魔力の使用だ。
または、討伐や遠征、冒険者などが戦いの際に精霊と協力して魔法を使用する。
これが一般的な精霊との関わり方だ。
過剰に頼れば、利用したとみなされ、最悪の場合国がなくなる。
“歴史を繰り返さぬように“これが学園で初めに学ぶことなのだ。
なのに、それでは足りぬということなのだろうか?
「祖父:今は無き他国の話ですが、精霊様を利用し、酷使した挙句滅びた国があります。その教訓に、“歴史を繰り返さぬように精霊とは適切な距離を保て”という教えがあります。それは間違いということですか?」
『風:それは間違いではない。我らは利用するために存在しているわけではないからの。じゃが、好んで契約した相手には、頼ってほしいもの。お主らの契約精霊を呼び出して聞いてみると良い。この中で高位の精霊との契約をしている者はおるかの?』
精霊は頼られたい?
初耳だ。
もう何十年と契約をしていて、そんなことを聞いたことがない。
「母:私です。高位の水の精霊と契約しています」
マリアは、隣国の魔法に秀でたバーバル王国の出身。
しかも、国一番と言われた魔法の腕を持つ元王女様だ。
『水:では呼び出してください。原初の精霊がこんなに居ては、まともな会話になるかもわからないので、位の一番近いあなたの精霊と話をします』
そう言われ、マリアは自分の精霊を呼び出すために名前を呼んだ。
「母:ウィーネ」
すると現れたのは、20代くらいの女性型の精霊だ。
淡い青色の髪に、青色の瞳をした高位の水の精霊“ウィーネ”だ。
『ウィーネ:マリア、呼んだかしら?……原初の精霊様……お初にお目にかかります』
そう言って、ふわふわ飛んでいたのに床にひざまづいた。
精霊同士でも、高位の精霊と最高位の精霊でも、これだけの畏まりよう。
驚いた。
王族と公爵家でもここまでではない。
まあ、公式の場ではちゃんとするが、原初の精霊様とは圧倒的な存在なのだろう。




