20.原初の精霊の話②
(1)0歳編
エリアーナSide
『風:我らは原初の精霊。火、水、土、風、雷、氷、光、闇、時、無と、この10属性を体現する大精霊から生まれた最初の精霊。姫を守護するため、神達と精霊王様に力をいただいた存在で、最高位精霊とも言う』
辺りを確認しながら、風の精霊様が話し出す。
原初の精霊は、神達が精霊王を、精霊王が大精霊を生み出し、その大精霊から生まれたそう。
ちなみに、精霊王は精霊の王だが、各属性の精霊を生み出すことは出来ず、大精霊がその役割をになっているらしい。
精霊は基本的に髪色や瞳の色が属性の色を表し、濃くなればなるだけ力が強く、さらに銀を持つと段違いに大きな存在となる。
今、目の前にいる原初の精霊達は、髪は濃い属性の色をしている。
火は赤、水は青、土はオレンジ、風は緑、雷は黄色、氷は水色、光は白、闇は黒、時は紫、無はピンク。
瞳の色は銀色だ。
『水:神達自身、神達が作り出した存在は一様に銀髪銀眼よ。そして、神に連なるものも瞳の色は銀色になるの』
私の色をみんなが銀だと、神の色だと言っていた理由が少しわかった気がした。
強い力を持ち、神達に創られた存在だから……。
実際に見たわけじゃないから実感は無いけれど、それって人とは異なるということなのだろうか?
母や父の子ではないということなのだろうか?
新たな疑問が浮上した。
私が再びうーんうーんと唸っていると、私を抱いている光の精霊だと思われる精霊様に声をかけられた。
『光:姫、どうかしたか?』
(リア:私は誰の子?神の子?)
『光:姫の魂は神が創り出した。それを神の子というのであれば、人や私たち精霊も元を辿れば神の子だ。姫は姫の母君から生まれた。だから、姫は間違いなく父君と母君の子供で、そこにいる子らの妹だ』
安堵した。
何者か分からなかった如月結笑が、エリアーナになった。
一筋の涙がこぼれた。
不安だったのだ。
突然の転生、突然の出来事、神だの精霊だの、以前居た世界とは違いすぎて……。
でも、私はここで生きていくのだ。
エリアーナとして。
安堵したからなのか、急に眠気が来た。
それはそうだろう。
まだ生まれて数時間なのだから。
訂正があり、修正しました。




