19.原初の精霊の話①
(1)0歳編
エリアーナSide
『風:まずこの世界の成り立ちから話すとしよう』
1万5000年ほど前、創造神パレセーテ様が仲間の神達と共にこの世界“パレス”を創り出した。
そこに、5つの大陸を置き、世界を4つに分けた。
神界、精霊界、冥界、そして地上。
神は、各地を守護するために生物を生み出した。
まず生み出されたのが、地を守護する精霊王、神界・精霊界・冥界を守護する大樹、精霊王と共に各地を守護する神獣と聖獣。
任を与え、各地へ散らばらせた。
その後、人種族、亜人族、エルフ、ドワーフ、獣人族、魔族、魔獣を生み出した。
『風:ここまではいいかの?』
皆んなで頷く。
『風:では続けるぞ』
そして最後に生み出したのが、世界の希望となる“愛し子”という存在の魂。
私の頬を優しく撫でながら。
愛し子とは、世界を愛し、世界に愛される存在。
膨大な魔力を持ち、世界を巡ることで神の力を地に還元し、土地を豊かに、人々を幸せにするために、神達が創り出した唯一無二の魂。
使命の代わりに、恩恵にあやかろうとするものを、悪意あるものを、神達や神達が生み出した力によって守護することを約束された存在。
それが、愛し子の存在と役割、使命だと、風の精霊様は言う。
『闇:じゃが、姫が大きくなり力を上手に使えるようになるまでは自由に過ごすのじゃ。縛り付けることが神達の望みではないし、そのために妾たちがおる』
私の頬を優しく撫でながら言う黒髪ロングの日本人形と西洋を合わせたみたいな女の人。
何となくわかった。
(リア:愛し子は、神が下界には干渉できないから創られたの?)
大人たちの息を飲む声が聞こえた。
そちらに視線をやると一様に驚いた顔をしている。
思考が発達しすぎだからかのかな?と考察してみる。
『風:その通りじゃ。先延ばしになっていた我らの紹介も混じえて、その辺を話そう』
原初の精霊様たちも少し驚いた顔をしている。
訂正があり、修正しました。




