18.使用人紹介と聞きたいこと
(1)0歳編
エリアーナSide
家族の紹介が終わり、軽く使用人の紹介もされた。
家令のオズバート、祖父ジャンカルロの専属従者のロイス。
侍女頭のグレイス、祖母エマの専属侍女のアマリエ。
執事長のギルバート、父サイモンの専属従者のアーロン。
母マリアベルの専属侍女のロナと、侍女と子供のお世話係兼任のルナ。
2人は双子らしい。
あとはお世話係が数名紹介された。
と言っても全員は覚えられないから、まずはよく部屋に出入りする人だけ覚えればいいとのこと。
まあ、最初は寝てばっかりだと思うけど……。
なんて思っていたのも束の間。
ここからが怒涛の時間だった。
『風:姫様は寝てもいいからの、無理はするなよ』
(リア:わかった)
今は、緑の髪の精霊様が出した雲のようなふわふわと浮かぶクッションの上で、白い長髪の精霊様に抱かれてているが、寝る暇なんてないだろうと直感で感じた。
それに、私も知りたい事がたくさんある。
多分聴き逃してもいつでも教えてはくれると思うけど、私自身早く聞きたい。
私は何者なのか。
生まれたばかりだから仕方がない。
そう言われてしまえばそうなのだが、前世と今世でぐちゃぐちゃなのが今の私なのだ。
スッキリしてから眠りにつきたいというのが本音かな。
(リア:聞きたいのだけど、私は誰で、あなた達は何者なの?)
とりあえず、それが一番の疑問だ。
名前はエリアーナというらしいが、どこの誰で、愛し子とは何者?
神様たちからも“愛し子だから”とは言われたし、軽く説明もされたが、果たして愛し子とは何者なの?
それに原初の精霊って何?
聞きたいことはたくさんあるが、慌てたところで情報の理解、整理は出来ないだろうと、目をつぶり深呼吸をする。
それを見計らったように1人の精霊が口を開く。
『風:それについては我ら精霊から伝えよう。まず、我は風の原初の精霊。“風の”とでも呼んで欲しい。』
そこから風の原初の精霊様が語り出した。
とても綺麗な淡いエメラルドグリーンの髪が静かに揺れる。
風はなくとも風の精霊。
分身たる風を操るなど容易いのだろう。
まずは大きな事柄から小さな事柄へ。
順番に簡潔に、でも分かりやすく話をしてくれる。
話をするのに向いている精霊なのだろう。
私も、家族のみんなも使用人も風の精霊様に耳を傾ける。
訂正があり、修正しました。




