8.名付け
(1)0歳編
マリアベルSide
身籠って10ヶ月上の子達とは比べものにもならないくらい平和でした。
つわりもなく、夜の体動も少なく、心配になるくらいいい子でいてくれた妊娠期間を過ごし、ついに出産の時。
4人産んでいるためかお産も早く、体力もそんなに削られませんでした。
しかし、生まれた子の髪と瞳の色に一同騒然とし、名付けをしていただく前に旦那様は部屋から退出されてしまいました。
そんなことに気づく余裕もないくらいに皆んなが慌てていると、部屋の扉がノックされました。
コンコンーーー。
入ってきたのは私の侍女で、子供達の面倒を見てくれているルナでした。
「マリア様、お加減はいかがですか?もしよろしければご家族がこちらへお越しになりたいそうなのですが」
話を聞けば、サイモンが名付けを忘れるほど慌てていたこと、待機していた家族が実際に生まれた子を見たいこと、そのために入室の許可をもらいにきたことを告げられました。
私は体の疲労も少なかったので、お医者様の指示通りの短時間ならと返事をし、家族を待っていました。
コンコンーーー。
グレイスに出てもらい、中へ案内するとお義父様、お義母様から労いの言葉をいただき、子供たちは生まれたばかりの我が子へ集まっていました。
「マリア、先ほどはすまなかった。慌てていたとはいえ君を労ることも、生まれた子に名づけもできず…申し訳ない」
「仕方ありませんわ。私もびっくりしてしまいましたし、今からでも遅くはありませんわ」
「ありがとう」
名付けは一般的に両親がするもの。
私が嫁いできたカルティール家では、両親が名付けをし、当主に報告をし名書きをしていただくのが伝統。
名書きとは、魔力のこもった特殊な紙とインクで名前を書き、体の上に置き名前を言うと魂に名前が刻まれ、強く健康な子に育ち、魔力回路が形成されると言われているものです。
「サイモン、どんな名前がいいかしら?」
「そうだね、きっとこの子は多くから愛される子になるだろうから愛称も可愛いものにしたいね」
サイモンと悩み、子供達にも意見を聞き名前が決まりました。
「エリアーナというのはどうだろうか?愛称はリアだ」
「いいと思うわ」
「「「「賛成!!!!」」」」
子供達も賛成の声を上げる。




