4.父の想い
(1)0歳編
サイモンSide
先ほど生まれた子は、私にとって5人目の子供。
そして、3人目の女の子。
皆んな同様に可愛いし、大切だ。
容姿も私に似たり、妻に似たり、父に似たり様々だが、まさかの銀色とは。
どう接したらいいかもわからないどころか、他国や教会に取られかねない。
なぜなら、銀色は神の色。
神に連なる色とされている。
そのため、聖人や聖女、眷属や使徒など神から遣わされた者は一様にどこかしらに銀色を持つ。
目の一部や髪の一部、髪全体など範囲が広ければ広いほど、神に愛された存在と言われている。
ならば先ほど生まれた娘はどうなる?
瞳は確認してこなかったからわからないが、髪は全体が眩いほどの銀色だったのだ。
自国の王家はそこまでじゃなかったとしても、他国、ましてや教会や聖教国が欲しないわけがない。
絶対に渡してなるものか。
あの子は、見た目こそ私たちに似ていなかったとしても、マリアがお腹を痛めて産んでくれた愛しい娘に変わりない。
家族がなんと言おうとも、私たち夫婦の大事な子供なのだ。
だが、マリアはどう思っているのだろうか?
先ほどは慌てすぎてまともに子供の顔を見ることも、マリアに声をかけることも、労わることもできなかった。
ましてや両親からの初めての贈り物である名付けすらしてないではないか!
これでは、娘が愛されていない、望まれていないと言っているようなものだ。
私は愚かだ。
色々とぐるぐる考えるくせに肝心なことを忘れているなんて……。
私は慌てて椅子から立ち上がった。




