21.やらかした精霊様からの贈り物②
(2)1歳編
エリアーナSide
お説教の間、父様たち大人からの視線はずっと感じていた。
契約の話をしてから距離が近くなっている私と精霊様たち。
敬っているけど、家族のような関係。
でも大人たちからしたらヒヤヒヤものなんだろうなと思いながら、お説教を続けていた。
まぁ私がお説教を続けるのには、あと2つの箱の中身が怖いからというのもある……。
こんな扱い用のない代物が1つ目に出てきたら、次もその次もうわ回って来るに違いない。
『無:姫、そろそろ2つ目開けてほしい』
急かされてしまった。
「リア:怖いんでしゅけど……」
でもそれは許されないようで、早く早くと訴えてくる。
覚悟を決めて、2つ目の箱10個を目の前に置く。
今度は、水の精霊様のから開けて欲しいと言われて、手を伸ばす。
開けてみると、そこには青色の鉱石が入っていた。
それは一般的なもので、以前色変えの魔道具製作の際に精霊様たちに提供してもらった鉱石だった。
1つ目とは違い珍しくはあるが、一般的にも手に入るものだったのでほっと胸を撫で下ろす。
他の精霊様の箱も開けると、属性と同じ色の鉱石が箱いっぱいに入っていた。
精霊石ほどではないが、こちらは数が多いのでそれなりに高いものだろう。
いくらになるか考えると怖いので、頭をブンブン振って思考を整える。
「リア:ありあとごじゃいましゅ。魔道具つくりゅ時にちゅかいましゅね」
精霊様たちもやっと普通のものが渡せたと笑っている。
家族や使用人の皆んなに目を向けると、ほっとしていた。
『風:姫様、最後の箱も開けて欲しい。こちらには2種類入っている』
また怖いものが入ってないといいのだけど……。
おっかなびっくり箱を開ける。
今度は土の精霊様の箱だ。
開けてみると、箱には半分で仕切りがついていて、向かって右には透明の石ーーー空の魔石、もう半分にはオレンジ色の石ーーーイエローアンバーの宝石が入っていた。
空の魔石はまだわかる。
イエローアンバーは、土の精霊様の象徴である宝石だ。
色が濃ければ濃いほど純度が高く、最上級のものだと確か白金貸1枚(1億円相当)以上するはず。
ここに入っているのは、小指の爪ほどの小粒のものだが、10個以上はある。
一体どれだけ希少なものか分かっていないのだろうか……。
小さくため息をつき、精霊様たちの方を見る。
「リア:なんで、またこんにゃ希少にゃもにょを!」
大人たちも再び固まっている。
他の箱も開けると、土の精霊様のものと同様に空の魔石とそれぞれ精霊様の象徴となっている宝石が入っていた。
これまたお説教だなと思い、精霊様に向き直る。
先ほどのお説教があるため、やってしまったか?と少し反省気味だが、あまり分かってはいなさそうだ。
今後が思いやられるよ……。




