19.プレゼント⑥
(2)1歳編
エリアーナSide
そして次はいよいよ精霊様たちから。
普段から色々してもらってるし、プレゼントまで申し訳ないけど、必死に考えて用意してくれたらしい。
やる気満々、頑張った!と言う達成感がひしひしと伝わってきて、内容がちょっと怖い……。
伝説のとか、国宝級とか出てきたらどうしよう。
『風:姫様に我らから贈り物です』
そう言い、手渡されたのは小さめの箱たち。
が、3つずつ。
ん?多くない?
小さめとはいえ、1人3つの箱だ。
3つの箱は、それぞれ色分けされていて、各々の属性色のもの、白の箱に金色のリボンが付いたもの、黒の箱に銀色のリボンが付いたものだ。
まずは、属性色の箱から開けて欲しいと言うので、それに従う。
「リア:だりぇのから開けたらいいでしゅか?」
うーんと悩む精霊様たち。
「火:まずは俺から。びっくりすると思うぞ!」
相談した結果、火の精霊様の箱から開けることに。
前置きが怖いです……。
開けてみると入っていたのは、赤い透明の石。
私は、それを見た瞬間に何か分かり固まってしまう。
それを見て、近くのテーブルにいた父様が声をかけてくる。
「父:リアどうしたんだい?」
父様の声に反応しようにも、目の前の物体が凄すぎて言葉が出ない。
その様子に父様とお祖父様がこちらにやってくる。
2人が、精霊様たちに許可を取り箱の中を覗く。
すると、絶句する父様とお祖父様。
だよね……と思いながら、2人の顔を見る。
そして、3人で顔を見合わせる。
「祖父:精霊様方、なんて言うものを……」
『火:まずいのか?姫なら魔道具制作に使えると喜んでくれるかと……』
完全に良かれと思ってだったらしい。
たしかに、魔道具制作に使えるだろう。
ただ、気軽に使っていいものではない!
これは、精霊式で使われる精霊石と同じものーーー。
否!色つきということは属性持ち。
絶対、原初の精霊様たちが作ったやつ!
絶対ダメなやつ!
と、力説する。
何やってるんですか……。
国宝どころか、伝説も超え、この世界に存在するのかも怪しいところ……。
拙い言葉では分かりずらいと思い、全員がわかるように念話で伝える。
『風:確かにこれは我らが作ったもの。だか、そんなに貴重なものか?』
作った本人たちにはその自覚はなかった。
それについてもお説教である。
これは国を、世界を揺るがすものである。
自覚がないのならば、身につけさせなければ……。
今後名実ともに私の守護精霊、契約精霊になる約束をしている。
精霊様たちにとっては気軽なことでも、ひとつ間違えば国に、世界各国に歯向かう意志を表したと思われてもおかしくない。
それは愛し子の守護精霊としても不本意なことだと思う。
『風:これからは姫様の為にも、人間のことを学ぶ。常識を学ぶ。だか、これは我らが心を込めて作った贈り物故、秘蔵しても構わぬから受け取ってはくれまいか?』
理解してくれたようなので、私もその想いを大事にし、受け取る。
でも、どうしろというのか……?
あと2つの箱の中身も気になるところだ……。




