101.筆頭侯爵家
(1)0歳編
エリアーナSide
ジルおじ様が紹介したいと言い、部屋に入ってきたのは、宰相様だった。
勉強の時にイールスハイド王国の貴族名簿を覚えた時に出てきた、筆頭侯爵家セライナ家の現当主の弟様らしくほんわかと優しい見た目のおじ様だ。
だが、怒ると怖いらしく不正は絶対許さない敏腕宰相様なのだ。
「宰相:お久しぶりにございます、カルティール家の皆様。そして初めまして小さな姫君。宰相をしております、ジョンにございます」
優しくにっこりと微笑み、ジョンおじちゃんと呼んでと付け加える。
精霊様たちをチラッと見ると、小さく拍手している。
どういうことかと思ったが、氷の精霊様が珍しく大きく頷いたので、相当な人物なのだろう。
「リア:初めまちて、エリアーナでしゅ。よろちくお願い致しましゅ」
カーテシーの真似をしながら挨拶する。
ジャンおじ様は、やはりニコニコしながら挨拶を誉めてくれる。
「国王ブルージル:ジョンも揃ったことだし、謁見の間でできなかった話をしよう」
そういうと、自分の契約精霊を呼び出す。
無の上位精霊だ。
名前をティルというらしい。
ティルに遮音結界と認識阻害魔法をかけてもらい、話が始まる。
「国王ブルージル:リアちゃんが愛し子様ということは、生まれてすぐに祖父のジャンから連絡があった。今日リアちゃんと会って銀色の髪と瞳を見るまでは半信半疑な部分もあった」
親友の言うことだとしても、髪も瞳も銀色なんてこの世界始まって以来無かったことだからと、続ける。
しかし今日、私の姿を見て事実だったんだと、少しでも疑ってしまった自分を恥じ、親友に申し訳ない気持ちがあると告白された。
「祖父:私も反対の立場ならすぐには信じれんと思うぞ。だからリアがいいなら気にするな」
私は気にしないよ、ジルおじ様。
ジルおじ様は感謝をし、話を進める。
「国王ブルージル:リアちゃんは精霊様にも愛されているのだろう?私にも精霊眼があってね、リアちゃんを守るようにいらっしゃる精霊様方が見えているんだよ」
その言葉に精霊様たちは驚き、私に確認をとって姿を現した。




