86.精霊様との約束
(0)1歳編
エリアーナSide
万が一、私が政治に利用されることがあれば、イールスハイド王国とは対立し、カルティール領を独立させ国を起こすことも王様に伝え、了承をもらっているそうだ。
私が会うのも、まだ一歳になったばかりの子達だそうで、横暴な子は居ないんだとか。
不安がなくなったとは言えないが、少しでも和らげようとしてくれている。
会わないことで、カルティール家の不利益はないそうだが、これだけ頑張ってくれている当主のお祖父様の顔を立てて参加を決める。
((リア:精霊様たち、どう思いますか?))
すると、話を聞いていた精霊様たちが少し話をして、姿を現した。
私たちにとっては普通の光景になったが、曾お祖父様と曾お祖母様にとっては初めて会う原初の精霊様たち。
すぐに椅子から立ち上がり、最敬礼をする。
男性は“ボウ・アンド・スクレープ”、女性はカーテシーだ。
『風:話は聞かせてもらった。其方たちは何があっても姫様を守るか?』
「曾祖父:誓います。エリアーナが愛し子でもカルティール家で生まれたならばうちの子。他の家族同様守ります」
『風:ならば姫様、そろそろ“あれ”を話す時ではないかの?』
((リア:父様の弟妹には言わなくていいですか?))
確かにと、つぶやく風の精霊様。
まだ、私が新しい魔法を作ったことも、魔道具を作ったことも伝えていない。
私たちがサロンに来る前に私のことや精霊様たちのことは話したそうだが、前世については父様母様にさえ伝えていない。
ここまできたら、父様の弟妹家族も揃ってからの方がいいのではないか?とも思う。
うーんと唸っていると、母様に声をかけられた。
「母:それは以前、話すことがあると言っていた件ですか?」
生まれた日のことを母様は覚えているのだろう。
「リア:あい」
((リア:今話すか、この後父様のご弟妹家族が来られた後に話すか迷っています))
全員に向けて念話を飛ばす。
毎日使っているので練度が上がり、相手を分けて使うことも、全員に飛ばすことも、1人に届けることもできるようになった。
初めて念話で話す曾お祖父様、曾お祖母様、久々に念話を聞くイル兄様はびっくりしていた。
「曾祖父:リアちゃんはそんなこともできるのかい?」
精霊様たちに座るよう言われ、お茶お呑んでいたが吹き出しそうな勢いで驚いている。
「リア:おしゃべりも念話もれんちゅうちてましゅ」
最近は、少し長めにも喋れるようになってきたところだ。
私の両サイドに座っているイル兄様とセレ姉様が頭を撫でてくれる。
訂正があり、修正しました。




