47/51
■憶の断片 ■■■■
――■■■■視点――
ただ暗く、何も聞こえない世界で、いつも誰かが話していた。
内容なんてわからない。
でも、その声を聴いている間だけ、不安が消えた。
その声を聴いているだけで良いから、このまま…ずっと。
〈どんな物語も例外なく動く。幸せは永遠には続かない〉
声が聞こえた…
心地の良かった声じゃない。
違う誰かの声。
あれ…いつも話していたあの声…どんなのだっけ?
何かが欠落したような感覚を覚えた私をよそに、声は続く。
〈あなたの人生《物語》は、ここから始まるの〉
声が聞こえなくなった途端、私は光に包まれた。
――温かい。
………
……。




