記憶の断片 欠片
――???視点――
暗く狭い空間で、私は存在していた。
なぜこんなことになっているのか、何も思い出せない。
ここはどこで、いったい私は何なんだろう…。
「あーあー、テステス…」
どうやら声は出るらしい、体の感覚はないのに…不思議な空間だ。
「誰かいませんか?」
目視できない範囲に、誰かいることを願って声を出してみる。
しかし、私の声がか細く響くだけだ。
「魔法…いや、魔道具のせいかな?はぁ…、せっかく今日は魔物討伐の実習だったのに…。こんなところいたら、授業出れない…」
ふと、目の前に気配を感じた。
「ん?誰かいるの?」
「……」
確かに気配を感じる。
けど、目の前には何もない。
私は自分の直感を信じ、気配を感じた位置を注視する。
すると、強く輝く光が現れた。
「何、この光…。人魂…みたいな?」
「……」
「え?」
さらに、私の背後にも光が現れる。
「一体、ここは何なの…」
背後の光は、正面の光に比べ弱々しく輝く。
その二つの光を認識したからなのか、私自身も光であることに気づく。
私の光は正面にいる光と同じく輝いている。
「これは…魂なのかな…」
「……」
「……」
この二つの光は、私と同じなら人の意識があるはずだ。
なのに、一言も喋る気配がない。
私一人だけが喋るこの状況、本来なら気まずさと退屈さで嫌になりそうなのだが、不思議とこの二つの光と一緒にいると落ち着く。




