女の子に転生したので、チートスキル【走馬灯】で魔導士学園に入学する。
冷たい…そして寒い。
どうしてこうなったんだけ。
呼吸はあまりに、しづらく泣き叫ぶことでようやく、肺に冷たい空気が循環する…。
手に握っていた、酔い止めや、そして学生証や選択するため制服、業務用ノートパソコンなどを詰め込んだバックが無い。そして身に着けていた財布、服さえもなくなっていた。
あるのは自分の身体を優しく包む、一枚の御包みのみだった。
自分にとっては道の素材、シルクなどすら凌駕する滑らかな手触りであり、白色の生地で包まれた身体は、幸いなことに傷つかず、心地の良いものだった。
なくしたものは、それだけではない。
記憶だ。 実を言うと、全くと言っていい程、ここに来るまでの記憶がない。 ただし忘れたのではない、状況と直感が示すのは、直前までの俺の記憶、一部分のみが何かしら超常的な現象によって消された。といった感じだった。
突拍子も、現実感すらないが、ありえないとは思わなかった。
なぜなら、最後にあった記憶は、俺の死だったのだから。
しかし、それよりも鼻を刺撃する、青々とした草原の臭みと、黒い空が落とす、無数の冷水のやりが、俺の包まれていない肌を虐め続ける。
黒い天井の闇に包まれた草原の中、カエルの鳴き声すら聞こえず、ただ草木を撫でる風の音の中に遠くから、ふと甲高い唸り声が聞こえた。
それと同時に、上空すぐ近く、明らかに小さなくなった俺の体より2倍近くのサイズの『影』が4つ私の周りを飛び回り次第に俺を取り囲む形で着地する。
そこでようやくその影の正体を見ることができたが俺はその姿に戦慄した。
おぞましき黒い巨大な雛鳥。 1メートル程の体長を持つそれらは、俺をとりかこみ、死臭纏う嘴で、俺をとりかこみ
突き刺して、肉を喰らおうと、何度も何度も叩きつけた。
しかし俺の皮膚は一向に傷つかず、ただ鬱陶しい程度の、痛みだけを俺の心に蓄積させていく。
その時点だろう、俺の恐怖は『慣れ』によって、不自然なスピードで怒りに変わっていた。
その慣れのせいか、その瞬間は泣き叫ばずとも呼吸が出来ていたのを覚えてる。
そして怒りを宿した眼圧で持ってして奴らを睨めば、数体ばかりのそいつ等は、みな、飛ぶことすら忘れ、後付さりを開始していた。
ブッチュ、っという鈍い音がなる。
俺が、想起させるのは、自家製のケチャップを作るために、大きなトマトをボールの中で潰した音だったが、それは実際には、突如として飛来した矢に、奴らのうちの一匹が脳天を貫かれ、脳汁と血液を同時にドビ散らせる音だった。
「やっぱり…なんかいた…赤ちゃん?」
グギャーっと言った醜い絶叫とともに黒い空へ飛び立っていく、化け物共とは反対に、美しい少女の張り上げた声の主がが、激しい駆け足の足音と共にこちらに、向かってくるのが分かった。
声の主は、声のイメージとぴったりあった風貌の少女で、歳は10歳にも満たないくらいで、無邪気で、あったり天真爛漫な雰囲気を感じさせるが、立ち振舞や身につけている衣服から、溢れる高貴さは、彼女自身の身分の高さを示していた。
「私はアウリン…恐がらないで」
「ほらほら…泣かないなんて、いい子ね。」
アウリンと名乗った彼女は慎重に、出来るだけ、俺を怖がらせないように、俺を抱いた。 その一挙手、一投足からは、限りなく彼女自身の慈愛や思い遣りなどを感じる一方で、彼女自身もまた、なにかに怯えているようにも感じだった。
アウリンは恐る恐る俺が手に握っていた、手紙を取り上げた。 俺自身最初は迷ったけど、何より悪意がなさそうな、雰囲気はあったのでアウリンを信じ手紙を取り上げた。
「やっぱり、あなたが約束の子だったのね…『大お祖母ちゃん』」
アウリンは手紙を読み終えると震える手で俺の手を握りそう呟いた瞬間、背後からもう一つの声が聞こえた。
「アウリン様! こんな雨の中、何をしておられるのですか!!」
「エルリエス?! ビックリするじゃない」
彼女の背後から、今度は別の女性が現れた。 その女性は背が高く白銀の鎧に前進を包んでいた。風防と様子を見るに正体は彼女に仕える『女騎士』のように見えた。
「それよりエルリエス、竜車を出して頂戴。 送り届けるのよ。 この娘を、最も美しい者が住まう里リリエスタへ。」
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スキルモナリザの精霊
精霊繁殖力 ☆☆☆☆☆
魔能発動精霊消費 ∞(常時発動可能なため)
クールダウン ☆(真の魔能は30時間)
損壊力/死誘力 ☆/☆☆☆☆
能力発動スピード MAX
耐久性/タフネス MAX
発展性/進化余地 0/0 (ただし変化自体はある)