家庭科室の使用許可
夜のランニング中にリサ・バーンこと上田梨沙と遭遇した駿はやり取りから自分がダンジョンプリズマーという事がばれたのではないかと不安になるが、とりあえずは登校する。登校すると伽耶に家で使っているシロップを持ってくる事を駿に話すとまりが味見はできないかと反応する。
「あ、味見、シロップだけ?」
「いやいや、シロップだけ味見しても味気ないじゃん、かやっちと暁が作ったパンケーキにだよ」
「雪野さん、俺もそんな美味しいシロップは気になるけど、家庭科室が使えないとダメだろう」
駿、伽耶、まりがやり取りをしていると裕子が話に入ってくる。
「碧さんのお家のシロップをパンケーキに使うけど、その前に味見したいという話をしているのね」
「あ、ゆうゆう」
「私もちょっと気になるし、確か家庭科室の使用許可は家庭科の安田先生にとらないといけないから後で私が話してくるわ」
「いいの?高崎さん」
裕子が家庭科教師に家庭科室の許可をとる為に話すと伽耶が尋ねるが、それに対して裕子が返答をする。
「バーベキューは正直ぶっつけ本番でやるけど、パンケーキだけなら予行練習も悪くないと思うわ」
「でも、バーベキューの網を本番では使うし、火の調整とかは全然違うよ」
「き、気分的に練習していた方が安心する事もあるんじゃないかしら?」
「なんでそこで疑問形なのさ、そう言って、ゆうゆうも食べたいだけなんじゃないの?」
まりより食べたいだけじゃないのかって言われて裕子は少し動揺し、反論の言葉を述べる。
「わ、私はただ、班長としてみんながやりやすいように考えているだけよ……」
「そうかなーーー、まあ、家庭科の先生への話はお願いね」
「分かったわ」
それから授業が始まり、昼休みに入り、昼食を摂っていると、昼休み中に教室を出ていた裕子が再度教室に戻って来て駿と伽耶の席の近くに来て2人に話す。
「暁君、碧さん、安田先生が今日の放課後なら使っていいって、料理部が休みなのは今週は今日だけだからって」
「そうすると放課後に材料を買いに行かないとな」
「私は家にシロップを取りに帰るよ」
裕子から家庭科室の使用許可が取れた話を駿と伽耶が聞いていると高史も話に入ってくる。
「それじゃあ俺達はその間どうするんだ?」
「私達は暁君と碧さんが戻ってくるまで他の話を進めましょう」
「じゃあ、駿、碧さん頼んだぜ」
「分かった」
「私はシロップ取りに帰るだけだから」
家庭科室の使用許可がおり、駿と伽耶は放課後にパンケーキ作りの予行演習に臨む事となった。