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翌朝に

 駿が校外学習で調理係をしているという話をすると梨沙も当時を懐かしみ、レク係で射的をしていた事を明かす。


「あのね、私大学に行ったらクレー射撃をやろうと思っていたから、昔からいろんな形で予行演習していたんだ、レクの射的もその一環」

「そうだったんですか、そんなに早く将来の事を考えて」

「あ、ごめんね、なんかつい色々話しちゃった、後輩っていっても初対面のはずなのに、不思議と君からはあんまり初対面感がないんだよね」

「ははは、そ、そうですか……」


 梨沙から初対面感がないと言われたが、そもそも駿にとってはダンジョンプリズマーとしてリサ・バーンに会った事があるので駿の振舞い方から自然と初対面感のなさが出てしまい、それを梨沙も感じ取った事が要因なのではないかと思い、長時間の接触はリスクが高いと見て、駿はそろそろ帰宅の意志を梨沙に伝える。


「確かに上田さんの言うように、こんな遅い時間のランニングはダメですね、俺もう帰ります」

「待って、まだ君の名前聞いてなかったね」

「えっと、暁駿です」

「暁駿君、じゃあね、今度は夜遅くに走っちゃだめよ」


 駿がそう言って自宅への帰路につくと駿の後姿を見ながら梨沙は呟いていた。


「暁駿、空手……まさかね」


 梨沙は駿と空手から何かを結び付けようとしたが結局結論は出ず、梨沙も帰路についた。


 駿は帰宅すると入浴して程なく就寝する。


 翌朝、駿は登校するが、昨日梨沙と接触した事がやっぱり不安であった。梨沙とのやり取りで自分がダンジョンプリズマーではないかとばれていないか不安だからだ。


 だが同時に梨沙はノリこそ少し軽めの女性だが常識や良識はしっかりとわきまわているのは配信の頃から思っていた事なので、もし正体に気付いてもただの高校生たる自分の正体を公言する事はなさそうという信頼感もあったのだ。


 そして登校してすぐに伽耶が駿に声をかける。


「あ、暁君おはよう」

「おはよう、碧さん」

「ねえ、暁君、お母さんにパンケーキの事を相談したらうちにあるシロップを使っていいって言ってくれたの、だからそれを当日持って行こうよ」

「いいのか?」

「うん、お母さん色んなシロップ買うのが好きだから1つくらい使ってもいいって、それも結構おいしいシロップだし、私もそれ好きだから」


 駿と伽耶がやりとりをしている中、まりが2人に声をかける。


「何々、かやっち、そんなおいしいシロップ持ってきてくれるの⁉」

「う、うん、雪野さんも喜んでくれるといいかなって思って」

「ねえねえ、そんなにいいシロップなら味見とかできない?」


 まりからの味見の提案、またしても調理係としての駿、そして補佐の伽耶はどうするのか?

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