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良かった指導

 大学でクレー射撃の指導をした事がある学生である吉川の救出に成功したリサは、吉川にポーションを与え傷を治してくれた配信者にお礼の言葉を述べていた。


「ありがとうございます、ええっと……」

「あ、俺の名前をしらないのか俺はデガングって言うんだ、別にそんな有名でもないから気にしなくていいよ」

「有名か無名かは今は関係ありません、デガングさんのおかげで吉川さんを助けられたばかりか、ケガの治療までしていただいて」

「教え子を思うあんたにほだされただけさ、俺はそこまで大したことはしてないよ」


 リサの感謝の言葉にデガングが謙遜していると吉川もデガングに対して礼の言葉を言った。


「ありがとうございます、梨沙先生と一緒に私を探してくれて」

「俺よりも先生に礼を言いなよ、血相を変えて俺に君の事を尋ねて来たぞ」

「先生、ありがとう。でもどうして先生はダンジョンに来れたの?」

「ああ、実はね……」


 リサは前に自分も吉川同様ダンジョンに迷い込んだ事がある事を話し、転移スキルでダンジョンまで転移した事を説明する。


「私を助ける為に、そんな危険を……ごめん先生迷惑かけちゃったね」

「ううん、大学と話してコーチを休止しててもあなた達の事は気になっていたし、危険なダンジョンに行ったとなれば見過ごすわけにはいかないもの」

「先生……ありがとう……」


 吉川は安心すると涙があふれだし、リサに抱擁されて、今度は吉川がリサに尋ねる。


「ねえ先生、先生はもううちのクレー射撃部のコーチはしてくれないの?」

「大学と話さないといけないけど、すぐには難しそうね、例の炎上の事もあるし」

「私も書き込みにはムカついたけど、噛みついてややこしくしたのは田島達なんだし、先生が責任を感じる事はないよ」

「でも、実際指導者としての私は……」

「あのさ、優勝できなかったのは私達がダメだっただけで先生のせいじゃないよ、それに私達も先生がメダリストだからってどこか気合が入りすぎたり気が抜けていたりしたと思うし、だから余計にダメだった思うの」

「でも十分な指導ができたか……」

「先生、前に私の悪い癖見つけてくれたじゃん、あの時の大会までにはなかなか直せなかったけど、今さ監督からも悪癖が消えていいんじゃないかって言われて成績も上がったんだよ」

「え?」

「私だけじゃないよ、みんなすごく上手くなった。田島達はバカなことをしたけど、今はみんなすごく先生の教えがいい感じに出ていると思う。だからさ先生の指導は良かったんだよ」


 指導は良かった、その言葉はわずかながらリサの救いになったのだ。

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