マジックと助手
伽耶のイラストクイズ、クイズのお題提供に高史、まりの歌、歌の為にピアノアプリでの演奏を担当する事になった裕子、そして残った駿と丸山がするキャンプファイヤーでの出し物をいよいよ丸山が発表する時が来た。
「僕は出し物としてはマジックをやろうと思っているんだ」
「マジック⁉あの鳩を帽子から出したりトランプの数字や絵柄を当てたりするあのマジックか?」
「そう、あのマジックだよ」
マジックをすると聞いて駿が驚く中、高史が丸山に尋ねる。
「ちょっと待てよ丸山、昨日どうするか聞いたら楽しみにしててくれって言ってたけど、マジックなんてできるのか?」
「うん、実は前々からmytubeの動画とかを観ていて興味が湧いてさ時々練習しているんだ」
「マジかよ!」
「へえーー、パソコンオタクかと思ったら意外じゃん」
高史もまりも丸山がマジックに興味を持っている事に驚いている中、駿は自分が抱いた疑問を丸山にぶつける。
「それで俺は何をすればいいんだ?まさか俺も一緒にマジックをやるのか?」
「暁君には僕の助手をしてもらいたいな」
「俺が助手か、一週間しかないが一緒に練習した方が良さそうだな」
「あ、それは大丈夫、必要な物を次々と僕に渡すようにしてくれればいいから、みんなの前に立って何かすれば参加したってみなされるからね」
一応駿には調理係として買い物から任されているので時間をあまりとられずに済む事に内心ほっとしており、班長である裕子がまとめに入る。
「じゃあ、レクリエーションが決まったって事で今日は解散ね、お疲れ様」
『お疲れ様』
「私はとりあえず、今から古賀先生にレクリエーションの内容を話して許可をもらってくるから」
「じゃあ私も行こうか?」
「大丈夫よ、許可をもらうだけなら私1人で十分だし、碧さんも今日は早く帰って昨日は遅くまで付き合わせちゃったし」
「そうそう、あたしが看護師と保健の先生の進路をゆうゆうや古賀ちゃんから聞いているのまで一緒に聞いてくれたし」
「あ、それは流れっていうか、私特に将来の夢とかが決まってないし、色々参考にしたいかな……って」
「でもかやっち、さっきの絵上手いしマンガ家とかは?」
まりの質問に対して戸惑いながら伽耶は返答をする。
「うーーーん、考えた事もなかったかな」
「じゃあさ、幼稚園の先生か保育士になって子供に紙芝居でもしたらどうかな?」
「え、えええ」
「はいはい、碧さん困っているでしょう、早くみんな帰りなさい」
まりの質問攻めに戸惑っている伽耶に裕子が助け舟を出し5班は解散した。