鎧の力
ダンジョンプリズマーはホワイトペインターがダンジョンから離脱すると、単独で配信と探索を開始したのだ、その目的は毎回ホワイトペインターが最短ルートでのダンジョン攻略を目指す為、ダンジョンプリズマーは通っていないルートにアイテム等が落ちていないかを確かめるものであった。
そんな時、人気配信者で現役プロレスラーでもあった、バースト寺田と再会し、バースト寺田もまた遠回りによるアイテム回収を試みていたのだ。
そんな時、ダンジョンプリズマーはバースト寺田に尋ねたい事があると言い放つ。
「俺に聞きたい事?もしかして人気の秘訣か、お前もなかなか強いが、顔を隠しているからな……」
「いや、私があなたに聞きたいのはさっきのフレイムバウンドとの戦いの事だ」
「フレイムバウンドとの戦い?」
「ああ、空手は少々得意が、それでも本来の私は素人に毛が生えた程度だ、だがプロレスラーであるあなたなら私以上に感覚が研ぎ澄まされてもおかしくないはずだ」
ダンジョンプリズマーは仮面の装着で暁駿本来の能力を超える力を持っており、本職がプロレスラーのバースト寺田ならもっと研ぎ澄まされてもおかしくないと主張する。
「何が言いてえ?」
「もしかして別動隊の存在に気付いていながらあえて攻撃を受けたのではないのか?」
「おい、待てよ、そうだとして俺になんのメリットがある、ただ痛いだけだろう」
「あなたなら治療用のアイテムを多く保持してもおかしくないし、ホワイトペインターは私よりも長く配信をしているし治療スキルもある事は知っていてもおかしくない」
「ちょっと前置きが長いな、お前が抱いた疑問は何なんだ?」
「あなたは我々の力量を把握しておきたかったのではないかと思っている、もしそうだとして何のためにそうしたのかが気になってな」
ダンジョンプリズマーはバースト寺田が故意にフレイムバウンドの攻撃を受け、そのうえで自分達の力量を見極めるのが目的ではなかったではなっかたかという疑問をぶつけ、バースト寺田は返答をする。
「感覚が研ぎ澄まされるか。本当にそうなら良かったんだけどな」
「え?」
「お前達は仮面の力とやらでそうかもしれねえが俺の場合はこの鎧が防御力をあげているにすぎねえ」
「だ、だがむき出しの部分をやられていたぞ」
「魔法の力かもしれねえが鎧を装備する事で体そのものが頑丈になるんだ、多分鎧付けていなければ死んでたな」
「え?じゃあ、本気で1人で引き付けるつもりだったのか?」
「まあな、もっとも本気でやばくなったら助けを求めるつもりではあったけどな」
バースト寺田の鎧はあくまでも防御力のみを上げるのが目的であり、その事実に気が抜けたダンジョンプリズマーであった。