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トレード提案

 校外学習中はダンジョン配信を休止しなくてはいけない事を気にする駿は授業中にもその事を考えてしまい、教師より注意されそうになるがクラスメイトの碧伽耶の声掛けでどうにか事なきを得る。


 ダンジョン配信もいまや生活の一部になっている駿にとっては休止は心苦しいのもあるが、自身の肉体の一部を奪われてしまうような感覚にもなっているのだ。


 とは言え、体調不良でもないと校外学習は休めないし、まして親がズル休みなど許そうはずもない事は駿も理解しているのだ。


 そう考えながら授業をこなしていくと、遂に6限目を迎えた。


 6限目はいわばロングホームルームとして時間を取り、今月末の校外学習の班決めを行うのだ、担任の古賀友里が教室に入室すると起立と礼を行い、それを終えると古賀が班決めについて話し始める。


「それじゃあ今朝話したように、班決めを行いたいと思います、学級委員、ここからはお願いします」


 古賀に促され男女それぞれ1人づつの学級委員が教壇に立ち、まず男子の学級委員が話し始める。


「ええ、今から校外学習の班決めを行いたいですが、決める方法はくじ引きです」

「班は男子3名、女子3名になるようにしていますので、私と立川君でそれぞれ男子女子の机に移動してこの箱からくじを引いてもらいます」

「僕達は余ったくじの番号が書かれた班に入りますので公平性は保てると思いますが」


 立川という名前の男子学級委員と女子の学級委員の説明を聞いて、高史が質問をする。


「はーい、質問いいっスか?」

「何ですか奥野君?」

「例えばあんま仲良くない奴と一緒になった場合にくじの交換とかはしてもいいんですか?」

「奥野君、これはなるべくクラスの色んな人と交流する意味もあるんです、それに班活動以外は誰と一緒に行動するのも自由です」

「でも仲良くない奴と一緒にバーベキューって俺はちょっと遠慮したいですね」


 どうも高史はバーベキューを仲良くない人間とするのに抵抗があるみたいで、班のくじ交換はできないかと質問し、更に別の女子生徒からも発言がある。


「あ、あたしも奥野にさんせーー、友達じゃない奴と一緒に食べるのってね、せめて男子同士、女子同士は交換可能にしてよーーー」

「雪野さんまで、これは校外学習って事を忘れていない」

「あたしらは少しでも楽しい思い出を作りたいだけだよ、トレードくらいいいじゃん」


 制服着崩している女子生徒、いわゆるギャルと呼ばれるタイプの雪野という女子生徒もくじの交換を可能にして欲しいと訴える。果たして班決めは無事に終了するのか?

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