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河川敷で

 ホワイトペインターへの空手講座をするにあたって改めて勉強する為に駿は書店で空手の本を購入しようとした際に友人の高史達と遭遇し、咄嗟に初心者用の教本のマンガの絵が気に入ったとごまかし、書店をあとにする。


 駿が書店をあとにしてから書店の前で高史達は駿の様子について話していた。


「なあ高史、なんか駿の奴様子がおかしくなかったか?」

「ああ、空手辞めてから暇を持て余してるから、特にそう感じるな」

「高校では空手部に入らないのか?」

「さあな、だけどわざわざ空手の本を買ったという事はまたやる気になるかもしんないし、生暖かい目で見てやろうぜ」


 高史達は駿が再び、空手をやる気になった可能性を感じるが、駿の本当の目的を知らない高史達をよそに駿は帰る途中河川敷により、そこの石段に座り込み、小声で独り言をつぶやく。


「はあ……高史達、俺の事を怪しんでいないよな?せめて高史には話しておくか、俺がダンジョンプリズマーだってことを……いや、やっぱりなんかな……」


 コソコソするくらいなら自分がダンジョンプリズマーである事を話した方がいいのではという気持ちと、やはり仮面のヒーローとしての配信者の自分の正体を簡単に明かすのは良くないのではという気持ちが戦っているが、やはり駿は話さないほうがいいのではという気持ちが勝った。


 そんな中、河川敷で倒れている人を発見し、慌てて駆け寄り声をかける。


「大丈夫ですか⁉今、救急車を呼びますから!」

「だ、大丈夫です……」

「本当に大丈夫ですか?って、碧さん⁉」

「え?暁君?」


 河川敷で倒れていたのは駿のクラスメイトである碧伽耶であり、更に駿は伽耶の状態にも言及する。


「碧さん、メガネに草がついているよ」

「あ、ご、ごめん、ありがとう」


 伽耶のメガネに草が付着しており駿に言われて草をメガネから落として、持っていたハンカチでメガネを拭きとる。


「ありがとう、暁君、助かったわ」

「いや、それよりどうしたの?河川敷で、それもジャージ姿で」

「あ、ちょっとランニングをしていたんだけど、張り切り過ぎて疲れて、そのままグッタリしちゃったの」

「そうなのか、走りなれないとペースがつかめないから気を付けないとな、それにしてもどうして運動部でもないのにそんなに張り切ってランニングしていたの?」

「え?あ、ああ、ほら月末課外学習でアウトドア活動があるじゃない、それで少しでもその、体力をつけておこうかなみたいな……」


 駿達1年生は5月末ごろに課外学習でアウトドア活動があり、伽耶はそれに備えランニングをしていたというのだ、その事で駿は課外活動の間の配信は休めないか、ホワイトペインターに相談する事とした。

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