新しい武器
ゴブリン、そしてキングゴブリンと遭遇した『マスクドダンジョン』の2人は早速戦闘態勢に入り、ダンジョンプリズマーが得意の空手技でゴブリンを圧倒し、ホワイトペインターもその状況に驚きを隠せないでいた。
「ふっ、貴様ら大した事ないな」
「気を付けてダンジョンプリズマー、キングゴブリンはさっきのゴブリンより強いわ」
「ああ、だがダンジョンの平和を守る為にも私は負けん!」
「ダンジョンの平和って……」
『まあ、なんかそれっぽい事を言いたいだけなんだって』
『すっかり仮面のヒーローって感じだもん』
ダンジョンの平和を守る発言に少し呆れ気味のホワイトペインターに視聴者がフォローの言葉を入れている間、ダンジョンプリズマーはキングゴブリンをも空手技で圧倒していた。
「他の奴らと違ってこれでは倒れんか、ならば、エレクトプリズム!」
『おおおーーーー!エレクトプリズムキターーーーー!』
『大ボスのとどめはやっぱり必殺技だよね』
『いや、大ボスじゃないやん』
電撃スキル、エレクトプリズムでキングゴブリンを消滅させると、ホワイトペインターが駆け寄ってダンジョンプリズマーに声をかける。
「すごいわね、まさか1人であれだけのゴブリンどころかキングゴブリンまで倒すなんて」
「ああ、私自身も驚いている」
「ん?ねえダンジョンプリズマー、キングゴブリンが消滅したところに何かあるわ、多分ドロップアイテムよ」
「何だろうか、ん?これは銃、ダンジョンに銃とは妙だな」
「それを言ってしまえば私達の仮面だって妙よ」
キングゴブリンを倒した所に落ちていたのは銃であり、ダンジョンに銃は妙だと言うと逆にホワイトペインターより仮面も妙だと言われダンジョンプリズマーは銃を触って違和感があり、その違和感の正体にすぐ気づいた。
「見てくれホワイトペインター、銃の形をしているが剣にも変形するぞ」
「本当だわ、せっかくだしあなたが持っていれば」
「いいのか?」
「キングゴブリンを倒したのはあなただし、それにあなたの方がその武器は使いこなせそうよ」
「それならお言葉に甘えよう」
ダンジョンプリズマーがこのいわゆる剣銃に分類される武器を所持する意思を示すと仮面のディスプレイにメッセージが表示された。
『この武器は今後あなたの固有武器となります、他の武器も使用できますが固有武器には今後ダンジョン攻略を進めるたびに特殊効果が追加されます。固有武器への名称登録をお願いします』
「名称登録か、んーーー、よしプリズムレイザーとするか」
「ふふ、いいと思うわ」
『承知しました、プリズムレイザーとして登録させていただきます』
新たな武器プリズムレイザーを手に入れたダンジョンプリズマー、今後のダンジョン配信の攻略への意欲が益々高まった瞬間だ。