入院の理由
駿が突然の入院をしたことで、駿と同じ校外学習の5班のメンバーは担任教師である古賀に呼ばれて昼休みに職員室まで移動する。まず5班の班長であり学級委員の裕子が扉をノックし、中に入ってから呼びかける。
「失礼します1年B組の5名ですが、古賀先生いらっしゃいますか?」
「ちょっと待て、古賀先生、古賀先生のクラスの生徒が来ていますよ」
別の教師が裕子に古賀がいる事を尋ねられると、古賀に呼びかけ、古賀が自分の机から移動し、裕子達に声をかける。
「はい、あ、みんな職員室に来てもらって悪いけど、相談室に移動しましょう、他の先生もいらっしゃるから」
「はい、分かりました」
古賀に促されて5班のメンバーは相談室に移動して、古賀が部屋の鍵を開けると椅子を人数分用意して5班のメンバーに座るよう促す。
「じゃあみんな座って」
古賀に促されて椅子に座るとまず裕子が口を開いた。
「あの先生、私達に聞きたい事って何ですか?」
「気になるっていうか、暁君の親御さんからお電話を受けたときにちょっと変わった話を聞いたのよ」
「変わった話ですか?」
「お医者様によると暁君、身体に何の異常もないんですって、もちろん息遣いとかが荒くて脈は高いけどそれくらいだそうよ」
古賀は駿の両親から身体に異常もないのに、入院した事を聞いており、その事を説明するとまりが古賀に疑問を投げかける。
「でもさ、そんな身体に異常もないのに入院するなんてあるの?」
「お医者様は暁君はを過労と診断されたの?」
「過労?」
「極端な疲れってことよ、暁君が色々無理してたのではがお医者様の見解らしいし、だからみんなには最近の暁君の様子を聞きたいと思ってね」
駿の入院の理由は過労である事を5班のメンバーに告げると、5班のメンバーは驚きを隠せずにいて困惑している。
「駿が過労……」
「そんな……」
「信じらんない……」
「そんな無理しているようには見えなかったけど……」
「……先生、それで暁君はどれくらい入院するんですか?」
多くのメンバーが入院理由が過労という事実に困惑している中、丸山は古賀に駿の入院期間について尋ねる。
「2、3日で退院はするらしいけど、学校自体は今週末まで休むらしいわ、念の為に」
「分かりました、教えてくれてありがとうございます」
「それで、最近の暁君に変わった事はなかったかな?過労に至るくらいだし、小さな事でもいいから」
丸山の予想通り、やはり古賀は最近の駿について5班のメンバーに尋ねてきた。心当たりのないメンバーの返答は?




