行動からの体調不良
駿の入院を担任教師の古賀より聞かされて戸惑う校外学習が駿と同じ班のメンバーは、1時間目の授業を終えると裕子に呼ばれ更に知らせを受ける。
「あのね、昼休みに古賀先生が暁君の事について聞きたいことがあるから職員室に来てほしいんだって」
「俺たちがか?そうはいっても最近の駿が調子悪そうには見えなかったんだけどな」
「奥野君でもそれじゃあ私もなんて答えたらいいか困るけど、とりあえずみんな昼休みになったら職員室に行きましょう」
裕子は高史達に古賀が駿の事について同じ班のメンバーに聞きたいという事を知らせるとすぐに教室に戻り、廊下にいる4人は茫然としながらまずまりが声を発する。
「ね、ねえもしかしてさ……暁って入院するってことはさ、食材の賞味期限切れをうっかり食べておなか壊したからかな……」
「え?まさか暁君が、そんな……」
「問題は賞味期限切れの食材しかないってことだよ、それを確かめられたらあたし達も校外学習行けなくなるのかな」
「おいおい、さすがに駿が痛んだ食材を用意、まして自分で食っちまうことはないだろう」
まりは駿が賞味期限切れの食材で体調を崩し、それが原因で自分達の校外学習も中止になるのではないかと不安になるが、高史がそれはないだろうとまりをたしなめる。
「……僕もそう思う、だけど古賀先生がわざわざ僕達に聞くってことはケガや痛んだ食材による腹痛とかじゃないと思う」
「そうなの?」
「ああ、だっておかしいじゃないか僕達も一番仲が良い奥野君も特に暁君が調子悪そうな様子は見ていないし、もし事故とかならわざわざ僕達に聞いたりしないんじゃないかな」
「じゃ、じゃあ暁君って本当に急に体調が悪くなったの?」
丸山は古賀が同じ班の自分達にわざわざ駿の事を聞きたいことから、事故等の可能性を排除し、伽耶からの質問に対し返答をする。
「そうだろうね、そして直近の暁君の行動を分かっている僕達に聞きたいんだろうね、多分」
「行動?顔色とかじゃなくて」
「まあ、あとは古賀先生の質問を聞かないと分からないけど、最近の行動で暁君の体調が悪くなりそうな行動を紐解くつもりなのかな」
「って言われても何をしたら体調が急に悪くなるの?変なものを食べてとか、大ケガとかじゃないと入院まではしないんじゃないの?」
丸山は最近の駿の行動に入院するほどの体調不良がおきた原因があるのではと推測し、それを自分達に聞いて古賀は原因を確かめようとしているのではないかと考えていた。そして昼休みがやってきて5班のメンバーは職員室に向かう。




